さくら学院の初期メンバーについて考察したいのですが、前回もみたように本人でさえわからないことを第三者が探るのは事実上不可能な作業なので、以下は、各所での研究の紹介に筆者の妄想を付け加えたフィクションとしてお読みください。
まず、考察の前提として、いきなりさくら学院創設メンバーを見直すことから始まります(笑)
さくら学院の初期メンバーは8名とされていますが、
武藤彩未 中学2年生
三吉彩花 中学2年生
松井愛莉 中学2年生
中元すず香 中学1年生
堀内まり菜 小学6年生
飯田來麗 小学6年生
杉崎寧々 小学6年生
佐藤日向 小学6年生 に加え
水野由結 小学5年生
菊地最愛 小学5年生 も実はオリジナルメンバーと言われています。
(森セン)8月に、水野、菊地が転入してくる。どうだ?転入してきた気持ちっつーのは?
(菊地)あの、うちら、最初はオリジナルメンバーとして活動してたんですよ。あ、話したことないよね、たぶん。
最初に、わたしたちはほんとは一緒にデビューするというか。
最初にその10人ででると思ってたんですけど、私たちは転入生としてってなって。
(水野)オリジナルメンバーとして活動すると言われたので、正直、転入生と言われて、え?みたいな
Logirl第1回放送より http://www.bilibili.com/video/av2407707/
最愛と由結はギミック上、あくまで転入生ですが
まぁ、ほぼオリジナルメンバーですよね。
田口華の学院日誌より http://ameblo.jp/sakuragakuin/entry-11837857048.html
さくら学院開校当時から、水野由結と菊地最愛も選出されていたことがわかります。(転入してきたのは演出上のことであり、後になってからメンバー追加されたわけでないということです)
というわけで、オリジナルメンバーは10人として考えなくてはいけないのでさらに難しい考察となります。(ゆいもあが後から加入だと妄想の整理もいくぶんか簡単になるんですど笑)
さくら学院初期メンバー研究は色んな切り口があります。
・BABYMETAL先行説
・武藤彩未ユニット主流説
・部活動先行説
・BEE-HIVE継承説
・ベストメンバー説
・受け皿説
・武藤彩未あとのり説 等々
まずは最も研究が進んでいる(妄想が巨大化している)BABYMETAL先行説からみていきましょう。
さくら学院の部活動である重音部として世に出たBABYMETALですが、BABYMETALの構想自体はさくら学院結成以前からあったことがわかっています。
――そもそもBABYMETALのメンバーはどうやって選ばれたのか。
KOBAMETAL:BABYMETALは、さくら学院の重音部という位置付けだが、企画自体はメインボーカルのSU-METAL(中元すず香)が所属していた「可憐Girls」が09年に解散となった辺りから構想していた。
日経トレンディネット2012年10月31日 http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20121026/1044961/?P=3
構想だけでなく、すでに曲も存在し、簡単なレコーディングも行っていました。
ーーー「ド・キ・ド・キ☆モーニング」を初めて聴いた時の印象は?
SU この曲、実はさくら学院の活動がはじまる前からあった曲で、最初はすごく可愛い曲だったんですよ。ところが、しばらく経ったら全然違う形になって。
Big One Girls No.21(2014年3月)より
ーーー彼女(SU-METAL)を中心にしてメンバーを探すとか、サウンドもメタルで行くとか、それは最初から決めていたんですか?
(KOBAMETAL)そうですね。あの、ド・キ・ド・キ☆モーニングの初期の頃のアレンジは今聴くともっとライトな感じなんですけど、曲自体はもうあったんです。SU-METAL1人だけでカラオケでヴォーカルを録ったりしていたんですよ。でもやっぱり誰かと組ませたいとは思ったものの、彼女のダンスとヴォーカルのスキルを考えると、一緒に並列できる子がなかなか見つからなかったんです。そこで、まったく違うキャラクターにしたらどうかな?と思った時、YUIMETALとMOAMETALがいて。この2人がSU-METALの周りで天使の様に踊っているというのが面白いと思って、そこからなんですよね、BABAYMETALが具体化したのは。
MARQUEE Vol.94 (2012年12月)より
ということで、なんとさくら学院結成前からド・キ・ド・キ☆モーニングを中元すず香は歌っていたことがわかる。
そしてKOBAMETALは会社にBABYMETAL構想を上申していた。
ーーBABYMETAL結成に至るまでの流れをお聞きしたいのですが。
自分で新人を見つけ、育てて、売り出していくということをやりたいなと思ってて。で、どういうのがいいかなあと思って自分で会社を俯瞰で見たら、Perfumeに続くアーティストがいないことに気づいて。それで企画してみようと思ってメンバーを探してたんです。
そのときにキッズ事業室っていう、子役とかキッズモデルのセクションなんですけど、そこに光るモノを持ってるコたちがいるって聞いて、発表会を観に行ったりオーディションを開催したりして。そうしたら、そこに今のBABYMETALのメンバーもいて。それで、「こういうのをやらせてくれないですか?」って会社にプレゼンして、“面白そうだからやってみれば”ってことで始まったんです。
ということで、さくら学院とは違った流れでKOBAMETALは動いていたことがわかる。KOBAMETALはキッズ事業室ではなく「バラエティ班」の室長なので別の動きとなるのは当然と言えば当然なのですが。
注目は、「プレゼン」して、「面白そうだからやってみれば」とゴーサインがでたのがいつかというところだろう。
曲づくりは、作詞家や作曲家、編曲家その他大勢の人間が関わるわけで、さすがにKOBAMETALの独断でというわけにはいかないだろうから、会社のゴーサインがでてから動いたと考えるのが自然だろう。そうすると例えば2009年の終わりか2010年の早い段階で会社のゴーサインはでていたのかもしれない。
さて、そうなると、さくら学院との兼ね合いをどうするかということが問題となる。
さくら学院自体は、千葉伸大氏を中心とするキッズ事業室サイドの構想であり、キッズ事業室所属タレントを用いた2つの動きがあるのは生産的ではないということにもなる。このあたり、どのように収斂させていくのか。
次に、アミューズキッズのエースである武藤彩未ユニット主流説である。
武藤彩未をリーダーとする新ユニットの情報が初めて世に出たのは、2010年1月30日に発売された「ピュアピュアvol56」
現物を確認できていないが、アイドルマスターSICの手帖さんの記録によると「アミューズキッズとユニットを結成して、彩未ちゃんがリーダーになる」とのこと。
ここでアイドルマスターSICの手帖さんはとても貴重な考察をしています。
アミューズキッズというのは、小学生部門。
彩未ちゃんや、ゆいかちゃんはジュニア部門。
すず香ちゃんは小学生なので、キッズ部門。
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キッズ部門には、約50名の女子がいて、
パティシエユニット「ミニパティ」などもいます。
新ユニット結成かー。
誰と組むんだろう?
3人?4人?5人? アミューズ48人?(笑)
引用:http://blog.livedoor.jp/yakushimaruhiroko/archives/51710495.html
アミューズキッズは現在は14歳まで在籍しているが、当時は12歳まで。
「アミューズキッズがユニット」を組むのではなく、
「武藤彩未とアミューズキッズ」がユニットを組む
という部分に注目しているところ、実際にリアルタイムで動向を追っているかたの視点はさすがの一言です。当時のファンの常識からすると、武藤彩未と小学生が組むのが新しいユニットということになるわけです。
結果としてさくら学院は武藤と同級生の三吉、松井も加入するので、この考察は外れかと思いきや、そうではありません。
武藤彩未をリーダーとするアミューズキッズのユニットは、さくら学院バトン部Twinklestarsとして顕在化したのです。
メンバーは、武藤彩未、堀内まり菜、飯田來麗、杉崎寧々、佐藤日向、水野由結、菊地最愛の7名。武藤以外は全て小学生、つまりは現役アミューズキッズです。
実は、さくら学院の部活動を考える際に、ずっと謎だったのがこのTwinklestarsでした。
まず、さくらのメンバーほとんどが入っている。
10人中7人です。グループ内にそのようなグループをつくる意味はなんだろうと。
そして、なんと言ってもCDデビューがさくら学院自体より早いわけです。
・Twinklestars「Dear Mr.Socrates」は2010年11月28日にLD&K Recordsから発売
・さくら学院の「夢に向かって / Hello ! IVY」は2010年12月8日にトイズファクトリーから発売
(ただし、「Dear Mr.Socrates」はインディーズ流通であり、CDはライブ会場およびオンラインショップのみの販売であったことには留意する必要があります。参照:http://natalie.mu/music/news/41060)
このような流れを見ると、どうしてもさくら学院は
武藤彩未が率いる小学生ユニットの構想がまずありきで、そこにKOBAMETALの考えるユニットが合体、そこにみよまつコンビが合流してかたちづくられた
という考察もあながち間違っていないのではないかという気分になります。
そこででてくるのが部活動先行説です。
さくら学院はすでに先行していた小グループ、あるいは、グループ構想の寄せ集めではないかとする考察です。
①「武藤彩未とアミューズキッズ」構想 → バトン部Twinklestars
②「中元すず香を中心とした新ユニット」構想 → 重音部BABYMETAL
③ 既存のミニパティ → クッキング部ミニパティ
④ 三吉彩花と松井愛莉 → 新聞部Scoopers
①のバトン部が早くに動き出していたことは、CDデビューが本体のさくら学院より早かったことからも想像できますが、注目したいのはさくら学院開校と同時に記された武藤彩未の学院日誌です。
学院日誌(さくら学院のメンバーブログ)第1発目のこの日誌、右下の絵に要注目。
なんとバトンを持ってます。さくら学院が開校したこの時点ですでにバトン部構想は固まっていて曲も存在し練習も始まっていたと考えるのは深読みしすぎでしょうか(笑)
②の重音部にすでに原曲もできていたことはすでに触れたとおり。開校の頃にはゆいもあのBABYMETAL加入も決まっていたことでしょう。
で、要注目は、④新聞部Scoopers
さすがに新聞部はあとづけだろう~と思っていた、そんな時期もありました。
「新聞部Scoopersについて、最初ふたりは、お互いどう思っていたのか?」
三吉彩花「ほんとに人見知りで、愛莉が。で、新聞部も一緒にやるって聞いてたので、どうしようみたいな。やばいってなって。」
松井愛莉「初めてのレッスンのときから、もううちと彩花ちゃんは一緒に練習してたんですよ、もともと最初から。」
さくら学院 FIRST LIVE & DOCUMENTARY 2010 to 2011 〜SMILE〜より
参考:42:00頃より https://www.dailymotion.com/video/x3rytkq
なんと、初めてのレッスン時にはすでにペアを組むことが決まっており、新聞部も開校当時から決まっていたことがわかる。
ということで、さくら学院開校→部活動の流れではなく、もともと小グループ構想があったところの集合体としてさくら学院ができて、見せかけ上、部活動として整理されたのではとする説でした。
この部活動先行説を補強するのが、BEE-HIVE継承説です。
長くなったので稿をあらためます。