2006年春、中元すず香がアクターズスクール広島に入校してくる。
中元は入校前から講師に「オーラが違う」、在校生からは「芸能人がきた!」と言われるほどの存在感をもって入学。
もうあれは絶対売れる、もうあれは絶対入れたほうがいいっていうぐらいよかったです。違いました。オーラが違いました。
ASH講師・田中都和子先生インタビュー2019年5月8日FMはつかいち放送より
すーちゃんは先輩だけど、ASHに入ったのは私のほうが早いんですよ。でも、すーちゃんはひとりだけ次元が違ってたというか、「芸能人がきた!」って感じでしたね。
ASH12期生・杉本愛莉鈴インタビュー2016年10月5日About ASHより
この中元を鞘師がどう思っていたか、それを示す資料は見当たらない。
ふたりは同じAクラス所属となり、ともに芸を磨いていくことになる。
2006年5月3日(水)、鞘師里保(小学2年生・7歳)はアクターズスクール広島選抜としてフラワーフェスティバル・さくらステージに登場
鞘師里保、若干7歳にして初のスクール外ステージとなった。
フラワーフェスティバルは、ゴールデンウイーク期間中に広島市平和大通りを中心に繰り広げられるお祭りで、特徴は30以上ともいわれるステージの多さ。
なかでもさくらステージは、カーネーション、オリーブ、シクラメン等と並び、このお祭りのメイン級のステージとなる。さくらステージにはperfumeが何度も出演したことでもよく知られている(この日もASH選抜後のステージに出演)。
2005年さくらステージでのPerfume
このステージで鞘師里保は「リトル・アフロ・フィーバー」のメンバーとして登場。
「恋のサバイバルナイトフィーバー」サカノウエヨースケ
春の発表会の演目を披露した。
2006年秋、鞘師里保と中元すず香は初めてともにステージに立つこととなる。
2006年9月17日(中元すず香小学3年生・8歳、鞘師里保小学2年生・8歳)、ふたりは広島県広島市・アステールプラザ大ホールにて行われたACTOR'S SCHOOL HIROSHIMA 2006 AUTUMN ACTに出演。
この発表会は重要ですので詳しく見ていきましょう。
(番号は出演順)
3 「メランコリニスタ」中元すず香(ソロオーディション合格)
入学半年で早くも中元すず香がソロアクトとして登場。
天使の羽をまとい、YUKIの曲をかわいく歌いあげます。
出典:http://www.scramble-egg.com/school/06ash_autumn.htm
7「カッチョイイぜ!JAPAN」 エンジェルスプラッシュ(P企画ユニット)
鞘師里保がP企画ユニット(スクール講師発案ユニット)の一員として登場。
メンバーは大上泉姫・矢野未来・吉田亜衣奈・鞘師里保(右から2人目)
初のふたりそろって出演した発表会は、一方が天使の衣装をまとい、他方が天使(エンジェル)の名が入ったユニットだったんですね・・・(だからなんだ)
曲は美勇伝というハロプロのグループの曲です。
ちなみにこの時4人はマイクをつけておりません。
事前に録音したであろうコーラスをバックにダンスを見せていることから、このP企画ユニットはダンスの先生の企画であることがうかがわれます。
このエンジェルスプラッシュというユニットは中元・鞘師の軌跡を追うにあたってもASHの歴史においても重要ユニットであり、伝説のユニットとでも呼べる存在なのですが、そのあたりはまたおいおい。
なお、メンバーの一員である吉田亜衣奈さん(1997年3月生まれ・ASH8期生)は後にボーカルダンスユニット「ピンク・ベイビーズ」の一員として活躍。現在は同グループの元メンバーとともに「MayuAina」として活動中です。
左が吉田さん
MayuAina公式HP http://mayuaina.com/index.html
吉田亜衣奈ツイッター https://twitter.com/mayuaina20
後年テレビ番組で放送されたこのときの写真
14「はい もしもし夏です」ARISES(ユニットオーディション合格ユニット)
鞘師里保がユニットオーディション合格ユニットの一員として登場。
メンバーは、浅利芽衣・高根美里・松見留里佳・奥村深友・鞘師里保
前3人が年長組で後2人が年少組です。
年長組3人がマイクを握り、年少組はダンサー役。
ここで重要なのは、このユニットがユニットオーディション合格組ということ。
P企画と違い、ユニットオーディションは生徒側が自主的に組むユニットです。
鞘師は若干小学2年生にして自主的なユニットを組んでいた。
おそらく年長組がダンスのうまい年少組2人に声をかけて組まれたユニットと予想するのですが、鞘師の相方は奥村深友(みゆう)さん。
右が鞘師 左が奥村
はい・・・
ここで奥村さん登場です。
先に結論から述べてしまうと、アクターズスクール広島時代の鞘師さんの最大のライバルは奥村深友さんだったと思っています。
奥村深友さんはASH10期生。生まれは1999年7月3日なので鞘師里保より年齢は1つ下ですがスクールでは先輩ということになります。
奥村深友さんはASHのトップダンサーとして長く活躍。
ASH公式ユニットSPL∞ASHのツイート。ハッシュタグに注目
先ほどの続き#まなみのりさ#TOKYO#アクターズスクール広島#憧れの先輩#米田みいな#高竹香夢#奥村深友#藤田彩刈#トップダンサー#言い過ぎではない#みいながオロオロしそう pic.twitter.com/o6VA520yYB
— SPL∞ASH(メンバー&スタッフ) (@SPL_ASH) December 25, 2017
2018年3月までASHに在籍し、多くのスクール生の憧れの存在となっていました。
卒業時の奥村さん(撮影ふらこ)
奥村さんは現在ダンサーLoaとして主催ライブを開催するなど活躍中です。
Loaツイッター:https://twitter.com/miyuu_ash_0703
鞘師里保が初めて組んだユニットで一緒だったのが奥村深友さん。
両名は今後も様々な舞台で共に活躍することになります。
ちなみにユニット名のARISESはアリシーズと読みます。
読みは違いますが、BABYMETALの名古屋公演名が「BABYMETAL ARISES - BEYOND THE MOON LEGEND - M -」に決まったとき、鞘師さんは初めて組んだユニットのことを思い浮かべたかもしれませんね^^
後年テレビ番組で放送されたこのときの写真
18「日本ブレイク工業」(社歌) Aクラス
ついに、ついに・・・中元すず香と鞘師里保が同じ舞台に立ちます。
(ここまですでに3話)
元モー娘の鞘師里保とBABYMETALの中元すず香が初めて組んだのがこれだ!
ぶはっ!
これは・・・
右端が鞘師ちゃんで左から2人目がすぅちゃんですね
鞘師ちゃんはOLのような格好、すぅちゃんは作業員のような出で立ちです。お立ち台がカゴw
それもそのはず「日本ブレイク工業」は実在した会社の社歌であり、その業種は解体業者。
PVもなかなかにおもしろいことになっています
この曲を中元すず香が歌い、鞘師里保が踊る・・・
まさになんじゃこりゃでございます
この頃から眼光するどいすぅさん。いまにもDEATH!!DEATH!!と叫び出しそうだー
これを鞘師角度っていうんですか?よくわかりません
24「くまんばちが飛んできた」Bee4(P企画ユニット)
P企画ユニットに中元すず香が登場
現まなみのりさの岡山みのり・松前吏紗らとともにNHKみんなの歌の曲を歌います。
松前吏紗(現まなみのりさ)とすぅちゃん
30「I can't stop my love for you」Aクラス
アクターズスクール広島の発表会では各クラスとも原則2曲披露します。
こんどの曲は愛内里菜さんの曲ということでAクラスが歌い上げます。
歌冒頭でマイクを握る鞘師(右)とダンスを披露する中元(中央)
アクターズスクール広島ではマイクを握ることができるのは選ばれし者のみ。
物理的にマイクの本数が限られているという問題もありますが、それ以上に歌の実力や習熟度に応じて歌割りが決められるといいます。
ちなみに写真左でマイクを握っているのは竹本真夢香さん(9期生)で、すぅちゃんより早く小学2年生にしてソロアクトを勝ち取った実力者。ASHで長く活躍し、現在は「マム」としてshowroomなどで活動中です。
マムTwitter:https://twitter.com/os_mamu
限られたマイクを用いてのステージでは、マイクの受け渡しが行われます。
フォーメーションの変更中などにさりげなく受け渡しがなされ、マイク受け渡しもアクターズスクール広島のステージでは醍醐味の一つとなっているのですが、この曲で歴史的名シーンと呼んでしまいたくなるような出来事が。
なんと鞘師里保から中元すず香へマイクの受け渡しがおこなわれます。
自分のマイクを中元へ渡した鞘師は隣りの奥村深友からマイクを受け取る。
結果として、奥村深友→鞘師里保→中元すず香、というマイクの受け渡しが行われたことに。
このときは何気ないシーンだったでしょうがいまとなっては何か感じさせるものがあります。
マイクを受け取った中元すず香が歌い上げます。
前列右・中元すず香 後列右・奥村深友 後列左・鞘師里保
ちなみに前列左は、中元さくらさん(15期生)
中元さくらさんもアクターズスクール広島のトップユニットであるSPL∞ASHの初代メンバーに選ばれた実力者で、現在は妹の中元みずきさんとともにダンス&ボーカルユニットJELLY'sとして活動中です。
JELLY'sツイッター:https://twitter.com/Jellys_tkp
こうしてアクターズスクール広島の次代を担うタレントがそろったAクラスがクオリティの高い歌唱を披露。
一部ではあったでしょうが小さなさざ波を起こした2006年の発表会となりました。
(つづく)