アンコール!アンコール!
鳴りやまないアンコールの声に押され、紙芝居が始まる。
巨大勢力"アイドル"との戦い「メタル・レジスタンス」は長期戦へと突入した。
BABYMETALはヘドバン養成コルセットを巻いたり、とりまモッシュッシュしたりと抵抗してみたが、"アイドル"は構成員が脱退すれば新人を増員し、各地に支部を作ってはその地域を統治し次々と勢力を増していくのであった。
その状況を見たキツネ様はBABYMETALに更なるパワーを与えるため神の使いとして爆音を奏でる最強のメタル楽団を降臨させる…
その楽団はギターの神、ベースの神、ドラムの神という神々で構成された勇者メタラー達によるBABYMETALのためのスペシャルな楽団である。その楽団と共にBABYMETALは更なる聖戦へと挑むのだ。
???
まさかバンドがでてくるのか?
まさか?
そんなことを考える間もなくステージ上手側にあるサブステージの扉が突如開く。
http://shibuya-o.com/east/#sec_floorguide
そこにはなんとゆいもあと骨たちに棺桶が。
棺桶からSU-METALが登場し、3人はゆっくりとメインステージへ歩を進める。
SU-METALが歌い出す。
伝説の~ 黒髪を 華麗に乱し
狂い咲く この華は~ は~かな~く
刹那
SU-METAL後方にスポットライトが当たり白塗り白装束のバンドが出現する。
神が降臨した瞬間です。
いや~ どうですかこの演出。
このシーンはわかっていても見るたびに鳥肌が立ちます。
神々を従えたSU-METALの姿はメタルクイーンと呼ぶにふさわしい。
8 ヘドバンギャー!!
生バンドによるヘドバンギャー!!
ここで中元すず香がその真価をいかんなく発揮する。
アンコールでは本物のギタリスト、ベーシスト、ドラマーが出演。コープスペイントをしていたので誰なのかは分かりませんでしたが、テクニックは十分。特にドラムの音が素晴らしく、ビシビシとカラダに響く感覚が快感です。やっぱり生演奏はかっこいい。
そして轟音の中でも埋もれないSU-METALのボーカルは素晴らしい!
http://nekopoku.tea-nifty.com/eririn/2012/10/babymetalliveid.html
これですよね・・・
メタルバンドが奏でる爆音を突き抜けて聞こえてくるSU-METALの声。
中元すず香の真骨頂。
9 イジメ、ダメ、ゼッタイ
出典:http://natalie.mu/music/news/77976
最後はイジメ、ダメ、ゼッタイで締め、We are BABYMETAL!! の後に See you♪で去っていきました。
その後、紙芝居により
- 次回ライブ「Legend "D"」が12月20日に「SU-METAL生誕祭」として開催されること
- 1月9日に「イジメ、ダメ、ゼッタイ」でメジャーデビューすること
が告げられます。
これまでライブでしか披露されず、音源化が待ち望まれていた「イジメ、ダメ、ゼッタイ」がついにリリースされる、それもメジャーデビュー。という告知に会場は「いいね!いいね!」の歓声が鳴りやまなかったそうです。
こうして幕を閉じた「Legend "I"」は60分に満たなかったといいます。
ライブ前はどうやって間を繋ぐのか心配された初ワンマンライブでしたが、BABYMETALが示した答えは、MCのかわりに紙芝居を使う以外はシンプルに「無駄にライブ時間を伸ばさない」でした。
紙芝居についてKOBAMETALはこんな風に語っています。
ーーーワンマンライブ『LEGEND I、D、Z』で、本格的にBABYMETALの人気が高まっていくわけですが、ライブパフォーマンスはもちろん、映像でのストーリー展開がBABYMETALのライブをより特別なものにした感は強いです。
「映像を使うのは、苦肉の策から出たものなんです。BABYMETALはMCしないってコンセプトで、でもワンマンで10曲やるとかなり大変だしどうしようかと。たまたまLEGEND“I”の会場のO-EASTを以前別のイベントで使ったことがあって、あそこはスクリーンが備え付けであるから、MCの代わりにスクリーン使って、アザーストーリーで間をつなごうと思ったんです」
MARQUEEvol.101 2014年2月10日発売KOBAMETALインタビューより
ーーー今の曲数をそのままやったら実質一時間満たないじゃないですか。あれをリカバリーしていこうと考えたときに映像を使うっていうのを思いついたんですか?
KOBAMETAL もともと長々とやるライヴが好きじゃないんですよ(笑)。途中でダレちゃうというか。特にBABYMETALはスタンディング形式のライヴが多いので、マラソンよりは短距離走タイプかなと。でも普通にやっていくとMCもやらないし、30分とかで終わっちゃうなって思って。それと、やっぱり曲間に何かを入れないとメンバーも大変だし、じゃあ、映像を使って何かやるとか、お芝居っぽく誰かが出てきて寸劇をやるとか、いくつかアイデアはあったんですよ。そのなかで最終的には映像になったんですよね。
(中略)
O-EASTのときも、過去にSU-METALとミニパティであの会場でやったことがあったんですよ。O-EASTってスクリーンが元々備えつけであったりして、ちょっと珍しい小屋なんですよ。あと、サブステージがあったり。あれを僕は最初から知っていたんで、O-EASTでやる場合は「何ができるかな?あ、映像ができるな」って。スクリーンがもともとあるっていうのは凄いラッキーでしたね。
ヘドバン(vol.1)2013年7月4日発売より
苦肉の策だったのか…
アイデアとしてはやはり寸劇もあった。もしこのときの会場がスクリーンのあるO-EASTでなければ寸劇だったかもしれないなんて。中元すず香がミニパティを従えて「バレンタインキッス」を歌ったVEGEROCK(参照:http://su.hatenadiary.com/entry/2016/05/11/034520)がこんなところに繋がるんですねぇ。
さて、このライブについて中元すず香はこう振り返っています。
http://ameblo.jp/sakuragakuin/entry-11376039529.html
初のワンマンライブ 初のソロ曲
初のサブステージ 初のイヤモニ
初の生バンド
それぞれ振り返ってみます。
〇初ワンマンライブ
ワンマンライヴをするので喉を強くするレッスンをやっていて
ヘドバン(vol.1)2013年7月4日発売SU-METALインタビューより
これまでで最多の9曲を披露するんですから、喉を強くするレッスンをしたんですねえ。それも2公演ですから1日に18曲やることになりますしね。
相当鍛錬を積んで臨んだワンマンだったのでしょう
〇初のソロ曲
紅月については前回触れたとおり最後まで歌いきる自信がないまま臨んだステージでした。
〇初のサブステージ
KOBAMETAL あとは、サブステージが備えつけであったんで、サブステージで何かできないかな?って思っていて。アンコールのときにあそこからメンバーが出てくるっていうのができたらいいなってアイデアを出して。本当はサブステージとメインステージって繋がってないんですけど、わざわざ橋みたいなのを作ったんですよ。それでメインステージまで歩けるようにして。
ーーーあれも度肝を抜かれましたね。
KOBAMETAL しかも、サブステージのシャッターが金網みたいになってて。(参考画像)
あれが秘密の館みたいにギギギーーッて開いて、そこにSU-METALが眠っている棺桶があって、棺桶の中からSU-METAL蘇るみたいな。そういうのを出来たら面白いなっていうので、あんなライヴにしたんけですけどね。
ヘドバン(vol.1)2013年7月4日発売より
わざわざ橋を作ったのか・・・
なお、サブステージに観客の視線を集中させ、メインステージに生バンドが登場しているのを気づきにくくさせる効果も考えたのではないかと思います。
また、YUIMETALはこんなことを言ってます。
YUIMETAL あと、途中のサイドステージあったじゃないですか。あれが開いた瞬間に、お客さん達が「やべぇ、めっちゃ楽しみ!」とかずっと言ってたのがすごい聞こえていて。いつもお客さんの声とか自分が盛り上がりすぎて全然聞こえてないんですけど、静かなところでゆっくり聞いてみるとおもしろいと思いました。
MARQUEEvol.94 2012年12月11日発売より
〇初のイヤモニ
日誌にあるとおり「初のイヤモニにとまどってい」たすぅちゃん。
昼公演時にはイヤモニが外れてしまったようです。
一回目公演の時、間奏明けの出だしで歌い出しのタイミングをちょっと間違えてましたね。ヘドバンが激しすぎて、イヤホンが外れ、音がうまく取れなかったようです。でもその後ちゃんと取り戻したのはえらい。
http://nekopoku.tea-nifty.com/eririn/2012/10/babymetalliveid.html
そんなトラブルや戸惑いがありながらBABYMETALは新しい試みにワクワクもしていたよう。
MOAMETAL あとは初めてイヤモニしたんだよね。
SU-METAL ね。ふふ。
MARQUEEvol.94 2012年12月11日発売より
初ワンマンライブを振り返るインタビューでイヤモニの話しでうふふとニヤニヤしてる姿が目に浮かびます。
自分も小さい頃はセキュリティとかのイヤモニしている人がえらくかっこよく見えました。まだ中学生の彼女たちにとって無線で音が飛んでくるイヤモニはかっこよく楽しいものだったのかなあ。
〇初の生バンド
さて、これですよね・・・
SU-METAL バンドさんと一緒にやったとき、今までだったら間奏の部分は普通に踊ってたんですけど、生演奏だとギターソロとか聴き入っちゃって、本当にカッコよかったし。また新たな発見ができたと思います。
ナタリー・ピエール中野対談記事より:http://natalie.mu/music/pp/babymetal03
ーーー生バンドで演ると、やっぱり違う?
SU-METAL 全然違いますよ。いつもは音源にのせて歌うみたいな感じだったけど、ほんと3Dで飛び出して来たみたいな感じで、音楽がすごく近くにあって。その中でもすごい緊張してました。
MARQUEEvol.94 2012年12月11日発売より
ーーー実際にライブをやってみて、どうですかメタルサウンドで歌うってのは。
SU-METAL このあいだワンマンライブをやらしていただいて。その時に初めて生バンドさんと一緒に歌わせていただいたんですけど。
今までアイドルとしていろんな曲をやってきた中では、間奏って間奏じゃないですか。だけどなんか間奏の中にギターソロみたいなのが、がっつり間奏じゃなくて。なんか休み時間じゃなくて。なんか
ーーー(SU-METALの言葉にかぶせて)ここがむしろ本気みたいな
SU-METAL そ、そうなんですよね
「TOKYO No.1 カワイイラジオ」JAPAN FM NETWORK(JFN)系列 2012年12月22日放送より
ーーー2012年はBABYMETALとして相当精力的に活動しましたよね。中でも印象に残っていることってなんですか?
SU-METAL 初めて生バンドさんの演奏で歌わせていただいたんですけど、そのときまでバンドさんのライブにお客さんとして行ったこともなかったので「カラオケで歌うのとあんま変わんないんだろうな」って思ってて。でも、実際に音を聴いたら、すごく胸に響いてきたんですよ。で、ライブ中「もっと聴きたい!」と思ってイヤモニを外してみたら、逆に音がよくわかんなくなっちゃったりもしたんですけど(笑)。そういうことをしちゃうくらいホントに気持ちよかったです。
ナタリーWeb:http://natalie.mu/music/pp/babymetal04/page/2より
ーーー昨年は思い出いっぱいあったんじゃないですか。
SU-METAL ワンマンライブをやらしていただいたことで。そのとき生バンドさんでライブをやらしていただいたんですけど、今までCDで聞くものと実際に聞くものの違いがよくわからなかったんですけど、実際に聞くとほんとに全然違って、なんか楽器の大切さとかそういうのを知りましたね。
ーーーメタルが自分の後ろから鳴っているってなると全然CDとは違うっていうのは、まさにそうでしょうねぇ。
SU-METAL ほんと全然ね、違って。かっこよかったです。
FM OSAKA「BUZZ ROCK」2013年1月14日放送より
ーーー(legend"Z"に向けて)こういうことしてみたいとかあるんですか、ワンマンの中で。
YUIMETAL 前の”I”で生バンドさんを呼ばせてもらってやってもらったので、今回も生バンドで踊れたらいいなと思います。
ーーーもう一回バンドいれちゃう?
MOAMETAL いいねえ
YUIMETAL かっこいい
SU-METAL かっこいい
YUIMETAL ズンズンズンって感じのあるじゃないですか
MOAMETAL 心に響きますよね
FM OSAKA「BUZZ ROCK」2013年1月14日放送より
ーーー同年10月6日、初のワンマンライブ(中略)。ここで初めてバンドとの競演を経験したんですよね。
SU MOAMETALの話なんですけど、(リハーサルで)初めてバンドと合わせるっていう時に、『イジメ~』で2人は(舞台の)袖で構えて、私も自分の立ち位置に着いたんですよ。ところが、演奏がはじまった途端「え……」っていう感じになって。YUIMETALが1人で走ってて、MOAMETALはバンドのほうを見て聴き入っちゃってるんですよ。完全に出忘れてて(笑)
MOA 生バンドなんて経験したことがなかったし、ライブも行ったことはあるけど、その時もオケだったので、今まで聴いたことがない音楽に感じて。すごく驚きがありました。
BIG ONE GIRLS NO.21 2014年3月3日発売より
さすがメタルの生バンドは衝撃だったようで色んな感想がでてきます。
それにしてもすぅちゃんの「3Dで飛び出して来たみたいな感じで、音楽がすごく近くにあって。」という表現はさすが中元すず香だなって感じですね。
私のような凡人だと「生バンドいいよね、ズンズン来る」とか「グルーヴ感が」とかそんな陳腐な表現しかできません。中元すず香って人は自分の言葉を持っているなとつくづく感じます。
そしてすぅちゃんは日誌でこの日の生バンドのことをこう記しています。
小さい頃からの憧れだった生バンドの夢を叶えてくれた神バンドの皆さん
2012年10月10日さくら学院日誌より
小さい頃からバンドを組むのが憧れだったと。
すぅちゃんはバンドだとテンションがあがるようで「My Graduation Toss」のPV収録の際もバンドのリーダーになったような気分でノリノリだったと言っています。
そして「神バンド」という言葉は初登場時から公式だったんですね。
神バンドはどのようにして選ばれたのでしょう。
ーーーあとライブで、生演奏の神バンドを入れますが、生バンドでやりたい思いは強かったんですか。
「最初はバンドじゃなくてもとは思ってたんです。けどやっぱりやってくうちに、バンドでのライブも観てみたいなと。ただ、曲がすごく難しいので、演奏できる人たちを見つけなきゃいけない。しかも、BABYMETALって世界観を作るとなると、絶対生身の人間が演奏しちゃダメだと思ったんです。まずはしっかり演奏できる人。あの世界観を楽しんで理解してやってくれる方を探すのがほんと大変でした」
MARQUEEvol.101 2014年2月10日発売KOBAMETALインタビューより
探すのがほんとたいへんだったと。
記念すべきBABYMETAL初生バンドに名乗りをあげてくれた勇者は誰だったのでしょう。
平野幸村(紫煉) ギター
出典:https://twitter.com/shiren_fairithm
所属バンド:妖精帝國、Unlucky Morpheus、電気式華憐音楽集団
(参考ページ)https://twitter.com/shiren_fairithm/status/546703226154676226
RYO ベース
出典:http://ameblo.jp/bscryo/entry-11450771487.html
所属バンド:BLOOD STAIN CHILD=当時
(参考ページ)http://ameblo.jp/bscryo/entry-11881554301.html
SHiN ドラム
出典:http://shin-dr.com/Profile
所属バンド:FORCE PRIME=当時、大凶作、RabbitSquare、&CORE、MyEggplantDiedYesterday
(参考ページ)http://shin-dr.com/Profile
ギターの紫煉さんとベースのRYOさんは(参考ページ)と記したリンクを見ていただくとわかるように、自らこの日演奏したことを明かしています。ドラムのSHiNさんは確定的なものはないのですが、(参考ページ)にサポートアーティスト としてBABYMETALの名前が挙がっていることに加えファンの各種証言により、この日プレイしたのはほぼ間違いないだろうと言われています。もう1人のギターは何説かあり現在のところはっきりしたことはわかっていないようです。
(2017年9月15日追記)
もうひとりのギターの神について、近年はこちらの説が有力なようです。
新井弘穀 ギター
出典:http://araihiroki.com/profile/
所属バンド:serial TV drama
(参考ページ)http://araihiroki.com/works/livesupport/
(参考ページ)を見ていただくとLIVE SUPPORTとしてBABYMETAL、MOVIEとしてLIVE DVD「LIVE 〜LEGEND I、D、Z APOCALYPSE〜」が挙がっていることに加え、写真が下手ギターのかたとよく似ています。
上に挙げた初期神バンドメンバーの姿を現在は見ることはできませんが、皆さん所属バンドをいくつも掛け持ちするような売れっ子ですので日程が合わないなどの問題もあったかもしれません。
しかしBABYMETALを新たな高みへと導くべく力を貸してくれた神々の登場は衝撃的で彼らがBABYMETALに与えてくれたものはとてつなく大きかったでしょう。
2012年10月6日はBABYMETALがバンドになった日。
小さい頃からの中元すず香の夢をかなえた神バンドの皆さん。ありがとう!
出典:http://ameblo.jp/bscryo/entry-11881554301.html
※本ライブは映像化されています
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