2012年4月、中元すず香は中学3年生となりさくら学院最上級生となりました。
中3の初仕事はBABYMETALとしてライブを2連発で行い、素晴らしいパフォーマンスを披露したわけですが、アイドル横丁の翌日(4月9日)に、早速試練が訪れます。
ーーー3人が卒業したことを実感したのは?
中元 4月9日ぐらいに、9人で初めての取材があったんですよ。その時も反省会が開かれて(笑)。
その時は、“自分がやらなきゃ”っていう気持ちが強くて。中2の4人もそれが強くて。みんながみんな、仕切ろうとする。みんながみんな、しゃべろうとする。それで中1や莉音が取り残されるっていう事態が起こったんです。
その時に、3人の存在の大きさを実感しました。それまでは“どうにかなるでしょ”っていうのが、たぶん、どこかにあったんですよ。
でも、どうしようもない状況に陥っちゃったから。仕切り方がわからないし。仕切ろうとすると「生徒会長じゃないのに」っていう風に言われるし。それに対し焦るし。
写真集「さくら学院中元すず香2013年3月 卒業」より
なんと、中元すず香はまだ生徒会長ではなかった。
生徒会長になるまでは、みんなと同じようにふつうのメンバーとして活動してたんですよ。
前生徒会長の彩未ちゃん(武藤彩未)が卒業した後、5月の<転入式>で生徒会長が発表されるまで、リーダーはいなかったんです。
彩未ちゃんが生徒会長のときは、ちゃんと、さくら学院らしい空気感を作ってたんです。休み時間はすっごく明るくて、お笑いみたいなことをしてメンバーを盛り上げたり、真剣に向き合うときはすごくしっかりとメンバーと向き合ったりできるし。
当時、すーは、彩未ちゃんみたいにまとめられないし、どうしようって思ってました
2012年9月5日CDJournal~注目のアイドル・グループのリーダーに訊く“リーダー論”~ http://www.cdjournal.com/main/cdjpush/-/2000000662
グループとして方向性をまとめないといけない。しかし生徒会長でもない。なぜか中2メンバーたちは反発してくる。
焦る状況のなか、2012年4月某日、新規メンバーが転入してくる。
ーーーその公園撮影のときに初めて会ったの?転入生のみんなは
中元 そうなんですよ。それまで全然教えてもらってなくて。だから何人来るのかとかもまったく教えられてなく。どういうこなのかも全く教えられずに。なんか「そういえばじゃあみんなに紹介したい人がいるんで」というかたちで。すごいゆっくりした足取りですごい緊張した感じで(3人が登場した)。
「ラジオで総まとめ!~さくら学院 2012年の歩み ~」 より
転入生は3人
野津 友那乃(のつゆなの)中学1年生
東京都出身。2009年ちゃおガールオーディションで準グランプリを受賞しアミューズ入り。以来同オーディショングランプリの布施柚乃とともにちゃおガールの主力として活躍してきた。
大賀咲希(おおがさき)小学6年生
東京都出身。2011年ちゃおガールオーディションで審査員特別賞を受賞しアミューズ入り。芸能界入りして半年でのさくら学院加入となった。
杉本愛莉鈴(すぎもとまりり)小学6年生
広島県出身。アクターズスクール広島12期生。小学4年生時(2010)に、ナルミヤ主催「シンデレラオーディション2010」準グランプリ獲得。小学5年生時(2011)「ニコ☆プチ」専属モデルに。アミューズ入り時期は不明。
この「はじめての公園撮影」はさくらが満開ですから4月上~中旬であることがわかります。
さくら学院の次の公式行事は5月6日の転入式ライブ。期間はすでに1か月を切っています。
ここで問題なのは、転入式までに、歌うパートから、立ち位置から、振り付けまで全部やり直しということ。
卒業生3人分の穴を誰かが埋めないといけない。曲によっては9人でやらないといけないし、新入生3人に歌や振りを教えつつ12人でやる曲もある。
メンバーが抜けてしまったのは初めての事態であり、そこをリーダーなしでやっていく。それも最上級生が仕切ろうとすると「生徒会長じゃないのに」と反発される中で、である。
これはたいへんだ。
なぜ中2生たちに反発されるような事態になっていたのだろうか。
佐藤 私たち、すぅちゃんに迷惑かけまくったよね。
杉崎 今だから言いますけど、2012年度がはじまった頃、寧々と日向とらうとまり菜、みんな生徒会長になれると思ってて(笑)。
飯田 「誰が(生徒会長に)なるかわかんないよ」って言われて……。
杉崎 “あ、チャンスあるんだ!”みたいな。
飯田 だから、レッスンとかでも“私が!私が!”っていう。
佐藤 すぅちゃんに注意されても、「は?」みたいな。ダメだったね。
飯田 らう、いまだにすぅに謝ってるもん。「ホント、ゴメン」って。
杉崎 寧々もどうしても謝っちゃう。「あの時はゴメンね」って言っちゃう。
佐藤 今の中2、私たちと違って全然荒れてないから平気だけど、すぅちゃんは本当に大変だっただろうなって。
写真集「さくら学院 堀内まり菜飯田來麗杉崎寧々佐藤日向 2014年3月卒業」より
なんと中2生たちは「誰が(生徒会長に)なるかわかんないよ」と、けしかけられ我こそがと対抗心を燃やしていた。
この「私達はすぅちゃんに迷惑かけた」談話に、堀内まり菜はまったく加わってないので、堀内まり菜がどう考えていたかはわからないが、杉崎寧々発言からは「寧々と日向とらうとまり菜、みんな生徒会長になれると思ってて」と4人とも生徒会長になれると思っていたということだ。
この状況下で転入生たちをまとめ、転入式までに新しい歌パートの割り振りや振り付けをし直していかなければならない。
しかしこの空気感は下級生や転入生たちにも敏感に伝わる。
(転入当時の雰囲気を聞かれ)
野津 それに、ちょっと空気が……。これはあとからねねどん(杉崎寧々)に聞いたんですけど、あの頃、「誰が生徒会長になってもおかしくない。すぅが一番上だから、すぅが会長とかじゃないよ」って先生に言われたらしいんです。
「だから、みんな、“自分が生徒会長になるんだ”っていう気持ちでピリピリしてたんだよ」って。その空気も怖くて(笑)
写真集「さくら学院 菊地最愛 水野由結 田口華 野津友那乃 2015年3月 卒業」より
こんな状況に萎縮してしまった転入生たちは聞きたいことも聞けなくなる。
野津 だから、“話しかけないほうがいいのかな”と思って。わからない振りも転入生同士で勝手に解決しちゃうから、間違って覚えてることも多くて。
それで、すぅさんに「自分たちで解決しないで私たちに聞いて」って言ってもらえて。
写真集「さくら学院 菊地最愛 水野由結 田口華 野津友那乃 2015年3月 卒業」より
転入生3人は自分たちで固まってしまうだけでなく、振り付けを間違って覚えてしまうという弊害が実際に起こってしまう。
中元すず香は「私たちに聞いて」と声をかけたわけだが、最年長でも生徒会長ではなく、とても苦しい思いをしていただろう。
職員室(さくら学院運営チーム)はさらに追い打ちをかける。
菊地 転入式での生徒会長の挨拶を「みんな、考えて来い」って言われたんですよ。
写真集「さくら学院 菊地最愛 水野由結 田口華 野津友那乃 2015年3月 卒業」より
中元すず香の胃はストレスで穴が開かなかっただろうか。
生徒会長に選ばれないかもしれない。このことは相当中元すず香を悩ませたようです。
ライブ前までの心境をこのように綴っている。
今回、生徒会長は投票によって決まるということだったので、発表されるまでメンバーみんな、誰が生徒会長になるのか知らされていませんでした。(投票結果が出たのは、ライブ前日だったそうです…)
最年長でも、必ずなれる訳じゃない と ライブ前から不安でいっぱいでした
中元すず香学院日誌よりhttp://ameblo.jp/sakuragakuin/entry-11254319408.html
ライブ中も気が気ではなかったらしい
今年5月に開催した<転入式>のとき、正式に発表されたんですけど、その日は他のことが全然集中できなくなっちゃって、ライヴでは堀内まり菜ちゃんに助けてもらったりして……。
2012年9月5日CDJournal~注目のアイドル・グループのリーダーに訊く“リーダー論”~ http://www.cdjournal.com/main/cdjpush/-/2000000662
全身全霊をステージに捧げる中元すず香がステージに集中することができない。
なんとも大きな試練をさくら学院は強いるものです。
たった一人の最上級生。頼れる同級生がおらず、頼りたい一つ下の子たちは対抗心を隠さずに私がと自己主張している。あまりのピリピリした雰囲気に下級生たちは萎縮。最後の頼りどころである職員室、、、が中2を煽っている黒幕という。
中元すず香はプライベートでは東京に引越ししたばかりで学校生活に慣れるのも苦労していたでしょう。正直、この頃が中元すず香にとって一番苦しい時期だったんじゃないでしょうか。
果たして中元すず香は無事に生徒会長に選ばれるのでしょうか。