前編「LEGEND - S - 洗礼の儀 -」参戦記その1~参戦資格を得るまでが戦い~ からの続きです
チケットがとれてからの1週間はもう楽しみしかなく。
それまで封印していた観光についても調べ始めました。
といっても、自分は旅行が苦手なタイプで。
行ったら行ったで楽しむのですが、どこになにがあるのかとか交通手段を調べるのが面倒で。旅行の計画を楽しめる人が羨ましいなあと思ったりしてました。
しかしながら、今回の旅は調べることが楽しくて楽しくて。
要は、訪れてみたいところがあるかどうかなんですね。
行きたいところへ行く方法を調べるのは苦でもなんでもなく、楽しいということにこの年になって初めて知りました。
訪れてみたいところはたくさんありました。
①アルパーク
②アステールプラザ
③基町クレド
④とうかさん
⑤アクターズスクール広島
⑥徳川
すぅちゃんゆかりの地です。
僕にとって大事なのは、そこにすぅちゃんがいたこと。
すぅちゃんがその場所について語ったことがあること。
そこにいけばすぅちゃんが感じられる場所。
最重要地点としてこの6カ所を中心として計画を立てました。
このブログの年表欄にはこんな画像を貼っています。
この画像は@nantoka_metalさんがつくられたものですが、すごく好きで。
このブログの主旨は中元すず香さんの軌跡をたどるで、広島期のすぅちゃんがたくさんでてきます。
今回の旅は、広島期のすぅちゃんの軌跡をたどり、彼女を育んだ広島を体感し、この写真のような幼い頃のすぅちゃんを感じ、会いにいく、そんな旅にしたいなと。
食事についてもすぅちゃん関連しか行きたいと思えず
徳川(お好み焼き)、すーちゃん(お好み焼き)、厳島(お好み焼き)、ちから(うどん)でまわします。(結果的には厳島は断念。ちからは行く機会なし)
次にまなみのりさライブ。まなみのりささんはすぅちゃんを追うと必ずでてくるアクターズスクール広島の先輩で、そんなまなみのりさがライブをグリーンアリーナのすぐお隣りでやる。これはもう運命だろう。絶対行かねばと。
それと宮島。これは観光として。
で、やっぱり平和記念公園。ここは広島を訪れる者として、すぅちゃんを慕う者として、絶対に行っておかなければいけない。
2日(土) 昼過ぎに広島入り→徳川総本店→とうかさん→グリーンアリーナで3種の神器と物販→ホテルチェックイン→ライブ
3日(日) 平和記念公園→アステールプラザ→まなみのりさライブ→ASH→お好み焼きすーちゃん→ライブ
4日(月) アルパーク→宮島観光→帰宅
という計画をたてた次第です。
ライブ前日になりました。
自分はライブについては、いつもあれこれ考えないようにしています。
考え始めると期待が膨らみますので、できるだけ考えないようにして、ありのままのBABYMETALを受入れる。
ですので、ライブ前はまったくテンション高くないです。
しかし今回ばかりは、もう前日は待ち遠しくて待ち遠しくて。
テンションかなりあがって仕事は手につかないはチケットをちゃんとカバンに入れたかを5回以上確認するはで。
これはいかん。今回は敬愛する中元すず香さんの悲願の凱旋ライブであり聖誕祭であり厳粛な洗礼の儀。
こんな浮ついた気持ちで広島入りすることはできない。
当日朝にじっくりすぅちゃんのさくら学院時代の日誌を読み返してみました。
あらためて中元すず香さんの広島への思いを噛みしめ、気持ちを落ち着け、心を整えて広島入りすることができました。
広島駅から路面電車に乗ります。
先ずは徳川へ
徳川(とくがわ)は、広島県・山口県・愛媛県に店舗網を持つお好み焼きチェーン店である。1964年に広島市胡町の劇場ビル内に1号店を開業。各テーブルの鉄板で客が自ら焼くという、当地においては目新しいスタイルのお好み焼き店として開業した。広島県内を中心に店舗網を展開している。
ウィキペディアより抜粋
徳川は広島に根付くお好み焼きのチェーン店。
なるほど、広島では客が自ら焼くスタイルは珍しいんですね。それがうけて店舗を拡大していったのでしょうか。
しかしなぜ広島に行って、いの一番にわざわざ関西風お好み焼きのお店にいくのか。
それは、まず、すぅちゃんのお好み焼きへの思い、これを知る必要があります。すぅちゃんを巡るお好み焼きストーリーはたいへん長く深いんですねぇ。
・ファーストお好み焼きインパクト
中元家では お好み焼きはたこ焼きと一緒で
食べたくなったら、お家で作るのものと思っているので
お好み焼きを外に食べに行くことはほとんどないんですよね~
唯一みんなで行くのが 『 徳 川 』
外に食べに行ってまで自分で焼きたい!というわが家(笑)
すぅちゃんのお姉さんであるひめたんが2010年10月7日に記したブログです。このときひめたん中学2年生、すぅちゃん中学1年生。
調べた範囲では、おそらくここが最も古いお好み焼き情報です。
このブログ、めちゃくちゃ重要ですよね。
①中元家ではお好み焼きとは「お家で作るのものと思っている」
②「お好み焼きを外に食べに行くことはほとんどない」
③「唯一」「行くのが」『徳川』
④なぜなら「外に食べに行ってまで自分で焼きたい!」のが中元流
全てが重要ポイントでした。そして全てはここに詰まっているのです。
この4点をよく抑えておかないと、様々なことを見落とすことになります。
2011.02.14
アルバム・ジャケット完成!! .
2011 年春、終業式シーズンに、開校 1 年目の楽曲を集めた待望のファーストアルバムのジャケットのデザインが完成しました!!初回盤「く」盤 <CD+DVD> TFCC-86350 \3,300(tax in)
このヘラを持っている姿は有名ですね。
アルバムジャケットにヘラを持って写るなんて。
すぅちゃんのお好み焼きへの愛、ひいては広島への愛を示す象徴的な写真だと思います。
なお、「お気に入りの私物を持ってきて」と言われてすぅちゃんが自らの意思でヘラを持ってきたとする逸話が流布されていることには疑問を持っています。
実はこの問題を2年以上かけて折りに触れて追っているのですが、ソースが見つけられません。
また、お気に入りのものとしてこの頃のすぅちゃんがプロフィール欄等にあげているものは、
・ipod ・ガムランボール ・ボイスレコーダ
等であり、お好み焼きのヘラと答えているものが見当たらないことも疑問を抱く理由となっています。
当然ジャケット撮影なのですから、何を持って写るかは事前に打ち合わせていたはずで、・ipod ・ガムランボール ・ボイスレコーダ はいずれもサイズが小さく、ジャケット撮影としては不適ということになり、じゃあ何にしようかとなって、相談しながら決めていったことと思います。
いずれにせよ、中元といえば広島、ということをすぅちゃん自身が自負しており、ジャケットデザインを担当した田中紫紋さんを始めとするスタッフの方々も、そう認識していたんだろうとは思います。
このアルバムジャケットについて2011年4月15日にすぅちゃんが語っています。
https://ameblo.jp/sakuragakuin/entry-10862335470.html
この日誌については、「広島焼き」とすぅちゃんは呼ばないという重要事項が記されていますが、他の重要事項として
①お好み焼きのことしか語っていない
②家でもよくお好み焼きをつくる
③すぅの作るお好み焼きめっちゃ美味しいですよ(ホントに)
ひとつの日誌を全てお好み焼きに費やす。すぅちゃんのお好み焼きへの愛を感じます。
②、③でお好み焼きは自分でつくるものとされています。
そしてなんといっても③すぅさんのつくるお好み焼きはおいしい
・フォースお好み焼きインパクト
さくら学院ファーストアルバム発売(2011年4月27日)にあわせ、
MONOコムサの各店舗にはさくら学院メンバーのプロフィールカードがディスプレイされていたのですが、すぅちゃんのがこれです。
出典:http://d.hatena.ne.jp/crossroad_2010/20110429/1304003437
「特技は、広島風お好み焼きが作れることと歌うことと踊ること」
ついに、特技としてお好み焼きづくりがでてきました!
ここ、いいでしょうか?
中元すず香の特技は、歌うことと踊ること。
ここに異論を唱えるかたは少ないでしょう。
この手書きの自己PRカードは、それに先んじて、お好み焼きを作ることが得意と言っているんですよ?
後年、「私から歌をとったら何も残らない」と語ったすぅちゃん。その歌より前に出てくるのがお好み焼きなんDEATH!!
僕は中元すず香の歌を聞き、ダンスを見ることにこの上ない喜びを感じます。
それと同等、いや、それ以上にお好み焼きを嗜むことは重要なことだとすぅちゃんは言っているに違いない!
さすがにすぅちゃんが作るお好み焼きを食べることは無理ですが、広島にすぅちゃんの歌とダンスを見に行き、お好み焼きを食べないなんて選択肢はあり得ない。
広島名物だからお好み焼きを食べるわけではない。
広島のお好み焼きが美味しいから食べに行くわけではないんです。
今回の洗礼の儀にあたって、お好み焼きを食べることは中元さんの歌とダンスを見ることと同等の重要な儀式だったのです。
そんなこんなで広島に着いたら真っ先に中元家御用達の徳川に行こうと思ってたのですが、徳川の場所を調べるにあたって問題点が。
徳川ってチェーン店なだけに店舗がたくさんあるんです・・・
どの店舗に中元さん家が行っていたかは当然わかりません。
これは大問題でしたが、そのことには目をつぶり、ええい!と交通の便のよい「総本店」に行くことに。
そして2番目の問題。
徳川はお客さんが自ら焼くスタイル。それが売り。
しかし私はお好み焼きをつくったことなど・・・
自分で焼いたら大事故になるのは目に見えていたのでどうしようかなと。
自分で焼くスタイルのお店でもたいていは頼めば焼いてもらえるので、ツイッターで聞いてみました。すると広島在住のかたから「焼いてもらえるはず」とのこと。食べログなども調べてみましたが、「お店に焼いてもらった」との書き込みもあり。
ということで、予定どおりお店に入りました。
お店はちょうど会計待ちのお客さんで混んでおり、なかなか案内の人が現れない状況だったので玄関で待っていると、メイトさん一行がでてきました。
気になっていたので聞いてみます。「自分で焼いたんですか?」答えは「焼いてもらったよー」ということで、安心して入りました。
案内係の人が来て聞かれます。
「ただいまテーブル席しか空きがありませんがよろしいですか?」
ん?と思いながらお店の中に入り、その意味がわかる。
座敷や掘りごたつ式の席が多いのだ。
そうかあ、そういうことかあ。
ちっちゃい子どももいる家族連れは座敷や掘りごたつが楽だもんねぇ。
中元さん家も5人家族だし、ファミリー向けの掘りごたつ席に3姉妹が並んで座ったのかなあ
などと思いを巡らせます。
この店舗に中元さん家がきたかどうかはわかりませんが、やっぱり来てよかったなあ。徳川はファミリー向けのお好み焼き屋さんであることがよくわかりました。
そんな感慨に浸ったのもつかの間、ここから意外な展開が待っていました。
関西風お好み焼きと広島風お好み焼きを一つずつ注文し、「焼いてください」とお願いすると、高校生ぐらいのいかにもアルバイト風のお兄さん「ちょっと聞いてきます」と。
え?と思いつつ待っていると
「ただいま厨房が混み合っていまして、焼くことはできないです」
えええ!!!
この日は地元が同じメイトさんと一緒に広島入りしていたのですが、2人で顔を見合わせます。
いや、自分で焼くの絶対無理だから!
アルバイト君は「できません」の一点張り。
そそそ、そんなことないじゃろ~と思いつつ、わ、わかりました、や、やってみます。
しかし諦めきれず、しばらくして通りかかった別のお母さん店員さんに聞いてみる。
焼いてもらうことって出来ないんですか?
するとお母さんも「いま厨房がねえ。焼き方はそこに書いてるから」とな。
しかし、それにしても、まさかこの年になって初めてお好み焼きをつくることになろうとは!
これはすぅさんからの試練だ
自分で焼いて食べるのがすぅちゃんスタイルなんだから、すぅちゃんを慕う者としてこれも運命なのか!?
品物が届くと先ずは広島風お好み焼きからチャレンジしてみます。
えっと?先ずは薄く生地をつくって?えー・・・
僕の状況に危うさを察知した連れメイトさんが「私がやります」と焼き始める。
お?いい感じ。
えーっと、次はソバを焼いて?
「こっちはやるんでふらこさんは関西風を」
2人とも関西風は、きたやつをかき混ぜてそのまんま焼けばいいと思っており、つくりかたの書は読んでおりませんでした。
ふらこメタル、とにかく関西風をかき混ぜます。
一方で鉄板の上の広島風は
おー!そばも焼けてきた!
このあとどうするんだ?
え?キャベツの上にまたペースをのせて?
玉子はいつ焼くの??
こんな感じでわちゃわちゃやってたので目立ったのでしょうか。
先ほどのお母さんが「ちゃんとできとる?」と覗きに来てくれました。
ああ!お母さん!
この次どうしたらいいんすか!?玉子焼くんすか?
そうそう、焼けばいいんよ
あれ?そっちの関西風・・・
ちょっと貸してみ
はい。わたくし、豚肉も具材と一緒にぐちゃぐちゃに混ぜておりました。
肉は肉だけで焼かないといけないそうです。(当たり前)
あきれ顔のお母さんは、こいつらはあかん、と、軽いコテさばきでちゃっちゃと広島風も関西風も焼いていってくれます。
お母さんまじ助かります!広島のお母さんは日本一!
こうして大事故になるところをすんでのところで回避することができたのでした。
しかしお母さんが登場するまでにめちゃくちゃなことばかりしていたせいで、なんとか食べられるものが出来上がったというレベルに過ぎず、美味しいとかそんなレベルのものではなかったということを申し添えます。うまく焼けたらめちゃくちゃ美味しいんだろうなあ・・・
ちなみにこれが徳川の関西風お好み焼きのメニューです。
HPにはこう書かれています。
”お好み焼の徳川と言えば広島人ならみんな知ってる、徳川幕府歴代将軍の名前のついてる関西風お好み焼! やっぱり一番人気は定番の初代将軍 徳川家康。 あなたのお気に入りの将軍は何代将軍?”
そうなんです。徳川15代将軍にちなんだネーミングがされております。
これはさくら学院父兄も思わず身を乗り出すメニューですね。
ちなみに僕たちは2代将軍秀忠を頼みました。
事前に食べログで見たところ、秀忠を推すコメントが散見されたからです。
しかしこの秀忠、ナメてはいけません。豚肉の量はお好み焼きに乗りきらないほどのボリュームです。
関西風と広島風の2枚でおっさん二人のお腹はもうパンパンとなりました。
中元三姉妹は三人で2枚食べる感じだったんだろうかなどと想像しつつ、我々は徳川を後にしたのでした。
広島のお好み焼きは奥が深いぜ・・・