サマソニ大阪2017(2017年8月19日)に参戦した顛末を記しています。前編は↓
サマソニ大阪2017いってきました準備編 - 広島のすぅちゃん
さあ、サマソニ大阪本番当日、準備を整えた私は、姿見を見て愕然としました。
鏡には謎のおっさんが映っていたのです。
・黒いキャップをかぶり
・首にタオルを巻き
・Tシャツを二枚重ね着し、下のシャツのほうがサイズが大きいため、首筋、袖口から肌着がはみ出ており
・リュックを背負い
・ウェストポーチ(前にポーチがくるタイプ)をつけ
・長ズボンなのか半ズボンかわからない謎のパンツをはき(ポケットにチャックがついたズボンがよかったので山用のダボダボズボンを暑いからといってかなり裾上げしたもの)
・黒と赤色のスニーカーをはき
・ピチピチになったTシャツのお腹部分がぽっこりと膨らんだ中年のおじさん、、、
・・・。
もうね、どこからどう見ても「オタク」です。
色合いもひどくて。機能重視でありあわせのものを身につけたため、全くコーディネートされておらず。とにかください。ひたすらださい。
だいたいベビTが黒ベースというのがいけないんすよ!シャツが白色とかもう少しさわやかなら違ってくると思うんですが(いや、ベビメタちゃんは何も悪くない)。
それにしても中年腹にリュックとウェストポーチのコンボはほんと強烈ですよ。おまけに首タオル!とにかくひたすらダサいw
ほんとにこのかっこでいくのか?と鏡に問いかけたものの
ええいままよ!愛するベビメタまで灼熱のサマフェスを乗り切るためだ!と出発しました。
こうしてどこからどう見てもオタクの、ベビメタおじさんの旅が始まったのです。
ベビメタおじさん、BABYMETALのTシャツを着て日本を歩くのは初めての経験です。自意識過剰になったおじさんは、すれ違う人が皆シャツに注目しているような気がしてきます。
BABYMETALのTシャツと気づかれたらどうしよう!
「あぁ、今日はサマソニの日だったわね。あの人メイトっていうのかしら?」すれ違う人みながそう思ってるような気がする!
電車に乗ります。座席に座るのもひと苦労です。
リュックおろしてウェストポーチはずして、、、
周りから見られている気がする。。。
ベビメタおじさんは周りと目を合わせないようにひたすらスマホに向かいます。
大阪につきました。
おおっと!なんとバス乗り場には大阪駅をつっきっていかねばならないではないか!
おしゃれな格好をした人々が行き交います。
知ってます?大阪駅って駅の周りデパートだらけなんですよ。
ショッピングにでかけるであろうおしゃれな格好をした人々が行き交う中を、リュック背負って首にタオルを巻いたベビメタおじさんはうつむき加減に歩きます。
夏の町を行き交う若者たちがまぶしい。
あ、、、きた。。。目の前からいかにもやんちゃな若者集団が近づいてきます。
「ヘイヘイヘイ!あいつベビメタってのライブに行くんじゃね?ドルオタだろ、やっちゃってやろうぜ」
オヤジ狩り?そんな不安が頭をよぎります。
大阪コワイ、喧嘩キライ、イジメ、ダメ、ゼッタイ
こうしてベビメタおじさんは数々の修羅場を脳内で勝手に生み出し、脳内ウォールオブデスを繰り出しながらなんとかバスターミナルにたどりついたのでした。
はあ、よかった。ここにいる人たちはみんなサマソニに行く人たち。同じ仲間だあ。と安堵したのつかの間
バス待ちをしている人たちが明らかに俺のシャツを見ている・・・
これまでは自意識過剰の妄想の中で注目を浴びていましたが、ここでは間違いなく多くの人がちらっちらっとシャツをチェックしている。
おおお!誰のファンなのかな?って見てるのね。。。
ベビメタおじさん、急に緊張してきました。
そうか。俺はいま、BABYMETALファンとして認知されているのだな。
これは迂闊な行動はできない。俺がへんな行動をしたなら、「BABYMETALのファン、メイトっていうの?へんなおじさんがいてさあ」って言われてしまうじゃないか!
「メイトが」って言われるんだ。
なぜか猛烈な責任感を感じてきました。
俺の一挙手一投足が注目されている。メイトの恥にはなるなかれ!
こうしてベビメタおじさんはひたすらおとなしくしておこうと誓うのでした。
バスツアーのお姉さんに質問したいこともありましたが目立ちなくないのでおとなしく列に並びます。
さてここから。
サマソニで見る予定のグループはおおむね決めていました。
こんな感じです。
バスの出発時間 9:20
到着予定時刻 10:00頃
お目当てのPassCodeのライブ 10:30開始。
「間に合うかなあ、大丈夫かなあ」
9:20きっかりぐらいにバス乗車が開始されました。
全員乗ったところでお姉さんがツアー内容について説明を開始します。
この説明がけっこう長い。「いや、お姉さん、その説明が大事なことわかるんです。ですが、その説明、移動しながらでいいでしょ!早く出発してください!」そう言いたいのをぐっとこらえます。へんなおっさんメイトがわめいてたと言われてはかないません。
ようやく説明が終わるとお姉さんはバスを降りていきました。
あ、そういうこと、お姉さんはついてこないから説明が終わってから出発するのね。
サマソニ会場に着いたのは10:10頃だったでしょうか。
途中では物販の横を通ったので、長蛇の列ができているのが見えました。
そうなんです。物販をどうするのかという大問題があったのですが、そもそもバス到着予定が10時だったのではなから諦めていました。
バスを降りたベビメタおじさんは真っ先にリストバンド受取所に向かいます。
PassCodeに間に合うのか!?気持ちばかり焦ります。
リストバンドを受け取ったおじさんは早足で歩きはじめます。
灼熱の太陽が照りつけ、汗が噴き出てきます。
しかし遠い、会場まで延々と歩きます。
うーむむ、遠いなあ、と、ここでふと手に持ったリストバンドに気づきます。
なんとおじさん、リストバンドなるものを手にするのは初体験。
リストバンドを受け取ってもそれを身につけるという発想がすぐにはわいてこず、手に握りしめたままでした。
あ、これって手首につけないといけないんじゃ?と気づき
手首に通してみます。が、かなり大きな輪っか
これを引っ張って輪を縮めるのかな?
おじさん、歩きながら、つまみを引っ張ってみます。
キュッ
あ、締め過ぎちゃった。ちょっと戻さないとキツいなこれ。
おじさん、一度絞めたつまみを戻そうとします。
戻らない。。。
なんと!一度絞めたつまみは戻らないんDEATH!!
おおお!なんてこったー!
きつく締まってしまったリストバンドは手首をぐいぐい圧迫しています。
明らかに手首の血管を締め付けています。
終わった、、、俺のサマソニはいきなり終わった、、、
この状態で1日いたら手は血が通らなくなって真っ白になってるだろう。。。
もう頭はパニックです。
もうおじさん必死でリストバンドを手首の一番細い場所に動かしましたよね。
早足で歩きながらわちゃわちゃやってると、少しだけ、ほんの少しだけバンドが緩まりました。
よかった、、、
結局リストバンドは手首の一番細い場所から1ミリも動かず、1日が終わり、はずしてみると完璧なリストバンド焼けの跡が残ったのでした。
皆さん、リストバンド絞めるチャンスは1回しかありません。絞めすぎちゃダメ、ゼッタイ
そんな感じでわちゃわちゃしてるうちに会場に到着したものの
写真とったり周りを見渡す余裕もなくおじさんはひたすらPassCodeを目指します。
ですが、わかりません!会場がわからないんです!
PassCodeのステージはソニックステージ
地図によると明らかに自分はソニックステージの近くにいるはず。
ですが周りを見渡しても会場がわかりません。
目に入るステージはWhite Massiveと書いてある。ここじゃない。。。
なぜ??
そうなんです。ソニックステージというのは体育館の中にあるのです。
リサーチ不足のおじさんは行けばわかるだろぐらいに思ってました。
余裕があるときだったらすぐにわかったと思うのですが、気がせいてテンパってると視界がとても狭くなるんでしょうね。
係員の人に何度か尋ねてようやく入り口がわかりました。
ってか、入り口超ちっさいんすよ!ドア一個分ぐらいしかないんです。
とにかく、なんとか間に合いましたよ。
何時に到着したのか覚えてませんので、開始時間より前に到着したのか、開始時間が遅れたのかわかりませんが、開始前にPassCodeのピットに入れました。
PassCode(パスコード)
大阪発のアイドル・グループ。通称は“パスコ”。ラウド・ロックやEDMなどのさまざまなジャンルを融合した楽曲とシャウトやスクリーモを駆使したパフォーマンスが特色。2014年より本格的に始動し、アイドルフェスだけでなくライヴイヴェントなどにも出演し、存在感をアピール。翌年には初の5大都市単独ツアーを開催し、話題を呼ぶ。2016年10月にメジャー・デビュー・シングル「MISS UNLIMITED」を発表。2017年4月にメジャー2ndシングル「bite the bullet」をリリース。
2016/06/01 (2017/05/08更新) (音楽出版社) http://tower.jp/artist/2338641/PassCode
PassCodeはBABYMETALとの比較でよく名前のでていたグループで、単独ライブにでもいってみようかなとすら思っていたグループ。
サマソニ大阪でオープニングアクトを務めるということでこれは是が非でも見てみないと!
ピット前方には5~10列ぐらいの人がいたでしょうか。
その後ろに遠巻きにする感じでまばらにみんな開演を待ってます。
ピットはそんな状況ではありましたが、スタンド席にはかなりの人が入っていました。オープニングアクトだし体育館内は冷房も効いてるので、腰かけつつ見てみようかなという感じのかたが多かったのではないでしょうか。
初めて見るPassCodeのピットは熱かったですね。
僕の隣りは20代後半ぐらいの男性だったのですが、手のひらを広げて指をピンと伸ばして手の平をくるくるさせるんですよ。ヒラヒラ~って感じで。
拳をふりあげるんじゃないんだ・・・新鮮でしたね。
次に、どの曲だったか「タイガー!ファイヤー!うんちゃらかんちゃら!ジャージャー!」とか聞こえてきました。
この謎の呪文みたいなのはアイドル現場でよく唱えられるているようですが、生で聞けて感動しましたよね。
そしてフロアがあったまってくると騎馬戦みたいな感じで人をかついで後ろからわーってくるんですよ!
どういう意味あいがあるのかよくわかりませんが、あれも一種の様式美なんでしょうか。やってる人たちは楽しそうでしたよね。
そんな熱いフロアの状況に圧倒されたおじさんは、肝心のPassCodeがどうだったかはいまいちよくわかりませんw あまり見えなかったですし。
音楽はEDMっていうんですか?テクノっぽかったですね。なのでエフェクトをかけてボーカルの声をだいぶ加工してました。
そしてPassCodeといえば、グロウル(犬のうなり声みたいな、がなり声)が有名ですが、グロウルの声は音に負けてあまり聞こえてきませんでした。
次に向かったのはマウンテンステージのリトグリ。
Little Glee Monster(リトルグリーモンスター)
日本のガールズ・コーラス・ユニット。通称“リトグリ”。メンバーは〈最強歌少女オーディショ〉で選出された、それぞれ全国各地のコンテストで賞を受賞する実力派で構成。フェスや番組出演などを経て、2014年にシングル「放課後ハイファイブ」でメジャー・デビュー。力強い歌声と高度なア・カペラも歌いこなす透き通ったハーモニーで注目され、女子中高生を中心に圧倒的な支持を獲得。2017年1月に2ndアルバム『Joyful Monster』を発表、直後の日本武道館公演も成功に収める。6月末より芹奈、かれん、アサヒ、MAYU、manakaの5人体制へ移行。
2014/10/03 (2017/07/05更新) (音楽出版社) http://tower.jp/artist/2333686/Little-Glee-Monster
リトグリなる存在はまったく知らなかったのですが、弊ブログで「ベビメタロス期お勧めアイドル」を尋ねたところ、リトグリを強く推してくれたかたがいらっしゃいまして。これは要チェックせねば。
ですが、実はリトグリには全く期待してませんでした。YOUTUBEでPVを見たりしましたが、う~んって感じで。このステージには、弊ブログの読者のかたへの義理という義務感だけで向かったといってもいいでしょう。移動の途中で一服したりしてダラダラしてたのでライブは半分ぐらいしか見れませんでした。
ですが!むっちゃよかったです。5人の綺麗なハーモニーを堪能しました。音楽も軽快なポップ調のものが多く、耳にここちよいです。最後に新曲を披露したのですが、これがアップテンポのノリやすい曲だったのでおじさんは思わず手拍子したくなったのですが自重しました。周りはおとなしく聞いていたのに、メイトが・・・と言われてはかないません。
Little Glee Monsterは、生で聞くべきグループですね。やっぱり生声っていうのは耳にやさしく、心に響くんですねぇ。素直に感動しました。
期待していなかったリトグリが意外によく、気分よく会場をあとにしたおじさんはあるメイトさんとお会いしました。このブログの愛読者Kさんで、かなり前にコメントをくれたかたです。
これまでネットでしかやり取りしてませんでしたが、お会いした途端あれやこれやと話しが弾みます。嬉しいなあ。ブログやっててよかったなあ。
Kさんには非メイトのお連れのかたがいらしたのですが、話しにまったく入ってこようとしないので、そのかたに「すいませんね。僕たちだけで話が盛り上がっちゃって」と謝ったところ、こんなことを言ってくださいました。
「いやいや、暗号を聞いてるみたいで面白いですよ」
ぶはっ!なんとも秀逸なコメントをいただきました。メイトの言葉は暗号みたいに意味不明らしいですw
メイトさんとお話しし、心に余裕のできたおじさんはまったりフェス会場を巡ります。物販をチェックしたり、フェス飯を食べたり。
周りの状況が把握できるようになり愕然としました。
お客さんは若いかたが多いんです!
学生ぽいかたもいるし圧倒的に20代ぐらいのかたが多い。みんなけっこうおしゃれです。白ベースのシャツを爽やかに着こなす感じ。リュック背負ってる人はあまり見かけません。おかしい。フェス会場にさえ来れば俺はださくなくなるはず、浮かなくなるはずだったのに。これが都市型フェスと言われる所以なのか・・・
こうしてベビメタおじさんは一段と小さくなり、誰とも目を合わせないようにしながら会場をうろついていたのですが、次の目的地であるマウンテンステージに向かっている途中、後ろから明るい声とハイヒールの音が聞こえてきました。
うお!きたー!!
サマソニガールだあ!
おおおお!
あまりの存在感に思わず道を譲ってしまいました。
サマソニガールたちは会場内を移動中のようです。おじさんはサマソニガールたちのすぐ後ろをついていきます。
おじさんは知らず知らずのうちにモデルさんばりの長い綺麗な足をガン見していました。
こんな長い足みたことない!ってか、白い!!ってか、こんな短いスカート見たことないぞ!
足が長いからスカートが短く感じるのか? いや、スカートが短いから足が長く見えるのか?? そんな高尚な思索にふけりながら、私は心の中で叫んだ。
「サ・マ・ソ・ニ・がーるぅぅ!」
ふと我に返りました。
まずい。へんなおっさんがサマソニガールの後ろについてきている。これは客観的にみてどう考えても変態ではないか。ストーカー?盗撮?痴漢?そんな風にみられても何も言い訳できないではないか!
まずいぞ、まずいぞまずいぞ!
私は歩みを止めてサマソニガールを見送った。
サマソニガールとの出会いから別れまではたった10秒ほどだったという。
こうしてベビメタおじさんの夏の恋は一瞬で終わったのでした。
(つづく)