〇 2012年5月9日、BABYMETAL初のシングルCD発売の告知がされます。
Posted : 2012.05.09
BABYMETAL、初の単独CDとなるインディーズシングル「ヘドバンギャー!!」を7月4日にリリース決定DEATH!!【CD商品情報】
タイトル:ヘドバンギャー!!(初回生産限定盤“ヘド盤”:CD + ヘドバン養成コルセット)
発売日:2012.07.04
価格:\3000(税込)
品番JOBR-1002
封入特典:プレミアムライブ「LEGEND?コルセット祭り?」応募抽選券
日程:7月21日(夜の宴)会場:目黒鹿鳴館タイトル:ヘドバンギャー!!(通常盤)
発売日:2012.07.04
価格:\1200(税込)
品番JOBR-1003
※enhanced部分には、特典映像収録!(内容未定)
初回生産分のみの封入特典:「ヘドバンギャー!!」リリースライブ応募抽選券
日程:7月21日(昼の宴)会場:目黒鹿鳴館BABYMETAL公式HP・NEWSより引用
「ド・キ・ド・キ☆モーニング」は「DVD付きタオル」
「いいね!」は「スプリットCD」
としての発売だったので、公式が言うように確かにここが初のシングルになるわけです。いや、実質3枚目じゃね?とは思いますが、初単独CDということでやはり違いがでてきます。
〇 2012年5月26日、インターネット動画配信チャンネルOtaku-Verse Zero[零]がBABYMETAL取材動画を公開しました。
ゆいちゃんがインタビュワーの顔をしっかり見ながらインタビューを受けているのに対し、すぅちゃんは外人さんに戸惑って相手の目を見ることもできない感じが印象的です。
この動画はK'z Stationというインターネット配信番組関連コンテンツのようです。インタビュワーのパトリック・マシアスさんは日本のアニメやマンガといったサブカルチャーに造詣の深いアメリカ人ライターさんとのこと。
注目点は、初の外国向けメディアの取材であること(配信は英語)。
この頃BABYMETAL初のシングル「ヘドバンギャー!!」の発売に向けBABYMETALは積極的に各種メディアの取材を受けていました。その一環での出演になったとは思いますが、インタビューにはKOBAMETALも登場する力を入れたものになっており、BABYMETALはこの頃から海外にも目を向けていたことがわかります。
それにしてもBABYMETALのインタビュー映像はここまでオリエンタルラジオのツギクルぐらいでしたでしょうか。
BABYMETALの映像に飢えている人たちがようやく次にトークを見れたのがこの動画という。この頃からBABYMETALファンは海外向け広報から情報を得ることを強いられていたのが面白い。
そしてここが自分達でつくったネクタイや私服も交えながらコーディネートされた伝説のチェック衣装が見られる最後の機会となりました。
〇 2012年6月10日発売音楽誌「MARQUEE(マーキー)Vol.91 」に登場。
BABYMETAL3人へのインタビューも含め本格的にBABYMETALを特集した初めての記事となりました。BABYMETAL公式もHPで嬉しそうに告知しております。
この記事は本当によくできていますので一部紹介します。
世界初・唯一無二:メタルという徹底様式×アイドルという完全虚像
今年春、渋谷AX“アイドル横丁祭”で、完璧なる圧倒的ステージを見せつけたBABYMETAL。メタルとアイドルの融合をコンセプトにするBABYMETALとは一体何なのか。もちろん、これまた完全なる学校コンセプトに基づくさくら学院の部活動の一つである重音部の3人組ユニット(中3+中1+中1)のことだ。が、それ以上に解釈されるものは大きい。これは、ウォーホールもビックリなコンセプチュアルアート級。そしてアイドルでしか絶対為し得ない“発明”だ。
それにしても彼女達の例えば“いいね!”の曲展開は、メタル/スクリーモがヒップホップに陥り、直後総デス/ヘッドバンキング。パラパラっぽくもなるという有り得なさ。しかもそれら全要素の意味(物語性)が完全脱色された果てのポップ形態(つまりアヴァンギャルド)。ダンス、キレまくりでカッコカワイく、???で、しかも笑える。間違いなくニューアイドル。本当に海外輸出されるべき真性クールジャパンはBABYMETALが筆頭。
見出しからして秀逸。「世界初」「唯一無二」
いまでもよく用いられるフレーズは初特集誌がサラっと使っていた。
いいね!の解説も見事。メタルやヒップホップ、テクノが混ぜこぜになり色を失うとポップになる。なるほど~。
このあと、BABYMETALのインタビューが入りますが、続く論評箇所から部分的に抜粋します。
これを、アンディ・ウォーホールに観てほしかった!なぜなら、BABYMETALこそポップアートを極めるからだ。1970年2月13日の金曜日、イギリスでBLACK SABBATHがデビューしたその時生まれたヘヴィメタルは、遂に今BABYMETALで成就した。
メタルはロック様式を極めた象徴だ。フライングVやヘッドバンキング等、音楽に限らず型を作った程だから。もはやアイテムにして記号。今や意味(物語・歴史)も脱色されている。だからTシャツのデザインにもピッタリ。その在り方はポップアート的だ。
アイドルは?と言えば、こちらも究極を言えば虚像。これもまた記号性が高い。アイドル本人に、不特定多数のファンの願望が投影され、いつしか本人を上回って偶像が生まれている状態とも言える。アイドル本人が“イメージ”になっている状態だ。
だから元来メタルとアイドルは、性質がとても近い。案の定、メタルという極められた様式と、アイドルという偶像とが相乗することで、さらに加速した。それがBABYMETAL。まるで2010年代の進行形ポップアート。
けれども、掛け合わせなら画策はできる。BABYMETALが“無敵”なのは、メタルの事を含め、演出・計算・コンセプトに無縁な年齢だからだ。そこからの未分化ゆえの勢い・未成熟ゆえの初々しさが、この様式×虚像を無敵なものにした。知らないということだけは、知ってしまったら絶対にできない。どんなにコンセプチュアルだろうが。ここがどんなクリエイターも実現できない。だから“知らない”ということをそのまま包み込んだ、母体・さくら学院の鉄壁な学校設定は、凄いとしか言い様がない。この無敵感は例えば、小柄なMOAMETALとYUIMETALの身体能力高いキッズダンスにも現れている。その時だけのものという点で。
こんな感じです。
異論反論さまざまあると思うのですが、自分としては素晴らしい論評だなあと思っています。さすが初めて特集を組む雑誌だけあるなあと。
メタルはポップアートと言い切るところの是非はさておき、BABYMETALはポップアートと言われてハッとするものがあります。
で、メタル×アイドルというコンセプトがウケただけでなく、それにプラスアルファされるBABYMETALの魅力を、彼女達の年齢に伴う無垢さに答えを見出しています。中元すず香たちはそれだけの存在でないことを今後証明していくわけですが、それでもなおこの指摘はかなり本質をついているんじゃないかと感じています。
筆者は編集長のMMMatsumotoさんですが、編集後記でこう記しています。
いやー BABYMETAL は鉄壁だー。
土台になってるさくら学院の学校コンセプト自体から鉄壁なんだけど、
今回取材で行った時も、インタビュールームからYUIMETALが
「コンニチワぁ」ピヨピヨッて出てきた途端、
気分が学校というか、「オレ、父兄?非常勤?」みたいな。
暗示がかるっていう点でも鉄壁だったりします。
http://www.marquee-mag.com/blog/2012/06/marqueevol91-babymetal.html
「オレ、父兄?」BABYMETALに出会うおっさん達が感じるものをサラっと表現。
SU-ちゃんは、歌うことに対して意識高いと思いましたね。
シンガー気質なのは、インタビュー発言でも感じられるかと思います。
あと、この3人は発言内容が音楽的。音楽的な回答の仕方をする。
http://www.marquee-mag.com/blog/2012/06/marqueevol91-babymetal.html
これほんとそう思います。このことに触れる人が案外少ないのが不思議。
〇 2012年6月14日、タワレコ新宿店「NO MUSIC, NO IDOL?」企画にBABYMETALが登場することが発表。
タワレコ新宿店 presentsアイドル企画「NO MUSIC, NO IDOL?」第13弾 『BABYMETAL』
4種の撮りおろしコラボポスター、タワレコ6店舗で展開が決定!
シングル「ヘドバンギャー!!」発売記念イベントも渋谷店で7/14(土)開催決定!
http://tower.jp/company/pressrelease/2012/6/10
タワレコ新宿店「NO MUSIC, NO IDOL?」企画に「いいね!」に続き登場。当企画では初めての4種ポスターとなった(それまでは最大で2種)。
出典:http://ototoy.jp/news/71687
衣装がかわった!
いや、それにしても・・・
なんじゃこのメイク!!ゆいちゃんもあちゃんはかわいい感じを残してるけど・・・
すぅちゃんちょっと怖い感じ?
このとき初めてこれを見た人は衝撃だったことでしょう。とくに可憐Girl'sやさくら学院から中元すず香ファンになったかたには。。。
すぅちゃんがグレた!!
〇 2012年6月21日12時、トイズファクトリー公式YOUTUBEチャンネルにて「ヘドバンギャー!!」のPVが公開されます。
初シングルだからということなのか、初めてPVがフル動画で公開されました。
しかしこれは・・・
やっぱりすぅちゃんグレた!!
怖すぎる・・・
もあちゃんも?
でも1人だけグレることができないゆいちゃん。隠せないかわいさ。
このPV撮影について中元すず香はこのように語っています。
・初のセーラー服!
・このとき初めて演技みたいな感じのして
・(メイクシーンを見ながら)これ実際にメイクさんの道具とか借りて
・(YUI)メイク濃いね!
(SU) そうだね。
(MOA)こんな濃かった?
(SU) 初のつけま(つげ)とかして。
・初のかっこいい感じだよね。ベビメタにしては。
・初めて10cmぐらいのヒールを履いてて。それでずっとダンスしてていっぱいこけた。
・楽しかった。新しい自分に出会えた感じがして。
ヘドバンギャーDVDオーディオコメンタリーより
化粧道具はメイクさんのもので、つけまつげも高いヒールも初めてだった。
よかった・・・グレたわけじゃないのね。
まだまだ中3の女の子、普段は化粧をしたりヒールを履いたりすることもなく、この撮影で新しい自分に出会えた感じがしたと。
しかしその新しいSU-METALさんはあまりにも様になっておりましてですね・・・
とにかくおじさんは心配なわけですよ。
結果的にこの濃いメイクはこの時期だけで終わることを知らないおじさん達は右往左往したわけですが、この路線はおじさんからは想像もできないファンを獲得することにつながります。
何かとヴィジュアル系ファンの琴線に引っかかってくるBABYMETALはヴィジュアル系ミュージシャン、ファンの間でも人気は高い。
そのきっかけになったのはもちろん「ヘドバンギャー!!」
そのタイトルのキャッチ―さ、ヴィジュアル系文化をとりいれた歌詞や映像のおもしろさがフックとなり、MVの公開とともに瞬く間にSNSを中心にネット上で拡散され、BABYMETALの名前をヴィジュアル系ファンにも知らしめることになった。
藤谷千明著ヘドバンvol.3より引用
この藤谷千明さんというかたはヴィジュアル系に詳しいライターさんらしいです。
自信をもって「もちろん」と書いているので、少なくともヴィジュアル系のSNSで話題になったのは間違いないのでしょう。
これまでは、アイドルファンが大半、多少のサブカル系と、数は少ないもののライブでは存在感抜群のHR/HM系という構成だったBABYMETALファンに、新たな層が加わることになりました。
ヴィジュアル系ファンの女性たち。
中元すず香もこう述べています。
実際に発売されて女性ファンの方から「私も当時この曲の歌詞のような女の子だったので、共感できるんです」って言ってもらったり。コメントとかに書いてもらったりとか…そういうお客さんの話を聞く機会が増えたんですよ。
ヘドバンvol.3より
「ヘドバンギャー!!」の歌詞は、最初、全然意味が分からなかったんですよ。リリースして、女性のファンの人から“私も実際に経験があって共感しました”ってメッセージを沢山いただいたんですね。
MARQUEE(マーキー)Vol.97 2013年6月10日発売より
新たなファン層を獲得したことは大きい。
そして中元すず香はこうも述べています。
ーーーそして、同年7月4日、初の単独CDとなる「ヘドバンギャー!!」をインディーズでリリース。
SU この頃から雑誌などでいろいろなアーティストの方と対談させて頂く機会も増えて。メタルというものを学んでいくきっかけとなったのが、『ヘドバン~』だと思いますね。
BIG ONE GIRLS No.021 2014年3月3日発売より
ヴィジュアル系なのに中元すず香はメタルとな。これについてはKOBAMETAL氏がこのように述べています。
“ヘドバンギャー!!”の作曲者・NARASAKIさんにはヴィジュアル系っぽい曲で、ヘドバンができる曲っていうリクエストだったんですけど、NARASAKIさんご自身がヴィジュアル系の方ではないので、「勘違いヴィジュアル系メタル」風になっています(笑)。だからちょっと違和感あるかもしれないですけど、そこが味かな~と
MARQUEE(マーキー)Vol.94 2012年12月11日発売より