広島のすぅちゃん

BABYMETAL中元すず香の軌跡をたどる

 

870 BABYMETAL世界征服を宣言

 

 2012年1月9日の「WOMEN'S POWER 20th Anniversary」@shibuya O-WESTでは、BABYMETALの新しいCDがリリースされることが告知されました。

f:id:pierofw:20160908185637j:plain出典:http://ameblo.jp/amechap/entry-11132580086.html

2012.01.10
重音部 BABYMETAL リリース情報
重音部 BABYMETAL が、注目の新世代・京都発ヲタイリッシュ・デス・ポップ・バンド“キバオブアキバ”とのスプリットCDを3月7日にリリースすることが決定しました。

タイトル:「BABYMETAL×キバオブアキバ」(読み:ベビーメタルとキバオブアキバ)
発売日:2012年3月7日
形態:スプリットCD (シングル)
価格:1,000円(税込)
品番:JOBR-1001
収録:BABYMETAL、キバオブアキバの新曲含む計4曲収録
発売元:重音部RECORDS

詳細は追ってお知らせ致します!!

 引用:http://www.sakuragakuin.jp/news/single.php?id=160 


 タイトルが「BABYMETAL×キバオブアキバ」?
 キバオブアキバってなに?
 スプリットCDって?

 後世の我々は、キバオブアキバというバンドがあって、2組のアーティストが1枚のCDを出し、このCDには「いいね!」と「君とアニメが見たい」が収録されていることを知っているわけですが、この情報だけ目にした人は何が何だかよくわからなかったかもしれません。

キバオブアキバ

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2008年に京都で結成され、“ヲタイリッシュ・デス・ポップ・バンド”をコンセプトに掲げて活動している。2011年にCD付きの缶バッジセット「ヲタイリッシュ缶バッジ」を発表。
 引用:http://natalie.mu/music/pp/kibaofakiba/page/4

スプリットCDとは
2~3組のアーティスト(ソロかグループかは問わない)の別々の音源を1枚に収めた音楽ディスク。
 Wikipedia「スプリット盤」の項より引用 

 

 なぜBABYMETALはこのような形でCDをリリースすることにしたのでしょう?

――「いいね!」は、京都発ヲタイリッシュ・デス・ポップ・バンドを名乗る「キバオブアキバ」とのスプリッドCDという形でリリースされた。その経緯は。
KOBAMETAL:まず、BABYMETALが「重音部RECORDS」というインディーズの体を取っているため、新人バンドや仲のいいバンド同士が一緒に音源を入れてスプリット盤を出すというインディーズ文化を取り入れたいと考えた。
 そこで、新しいバンドを探していたところ、出会ったのがキバオブアキバだ。メタル・バンドシーンからヲタク文化へアプローチするというスタンスにBABYMETALと似たものを感じ、何か面白いことができるのではと思った。
  引用:http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20121026/1044961/?P=5

 なるほど。インディーズ路線で行こうということなんですか。
 前作が「DVD付タオル」という手法をとったことも含め、BABYMETALは販売戦略もインディーズバンドをリスペクトしたかたちで進めようとしていたと見られる。

 

 この路線を受け、さっそくロック系サイトでもニュースが取り上げられる。

2012.01.10 15:07 | リリース情報
キバオブアキバ、アイドルとメタルの融合をテーマに結成されたユニットBABYMETALとのスプリット・シングルのリリースが決定!
 京都発ヲタイリッシュ・デス・ポップ・バンド、キバオブアキバ。チャットでのインタビューなどいつも(キワドイ)話題を振りまいてくれる彼らが新路線へとステップ!(脱線!?)
 「アイドルとメタルの融合」をテーマに結成され、アイドルの枠を超えて活動を開始したBABYMETALとのスプリットCDを3/7にリリースすることが決定した。タイトルは『BABYMETAL×キバオブアキバ』(読み:ベビーメタルとキバオブアキバ)
 動画をご覧頂ければいかにキワドイ路線なのかが良く分かるだろう。
 キバオブアキバの今後の展開がコワイ!!
 http://gekirock.com/news/2012/01/baby_metal.php

 とりあげたのは「激ロック」という「ラウドロックポータルサイト」で、キバオブアキバ側からの書き方となっている。
 たとえBABYMETALを取り上げたくても「ロック」メディアでは社内外の理解が得られにくかっただろうなかで、インディーズバンドとスプリットCDを出すというBABYMETALサイドの戦略が功を奏したかたちとなった。
 日本のロック系メディアでBABYMETALを取り上げたのがここが初めてだったかはわからないが、情報収集能力と発信力で海外に後れをとっていた日本のロック系メディアもこの頃からようやくBABYMETALを追っていくこととなる。
 なお、激ロックは月刊誌も発行しているが、2012年3月号でおそらく日本初となるKOBAMETALインタビューを掲載することになる。

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 インタビューはWebにも掲載(2012年3月6日) 
 http://gekirock.com/feature/2012/03/babymetal_and_kibaofakiba.php

 


 2012年1月20日発売「SWITCH」 2012年2月号 にBABYMETALが登場

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SWITCH Vol.30 No.2 特集:ソーシャルカルチャー ネ申コラボ1oo

 

 全150ページにも及ぶ大型本に載ったBABYMETALがこれだ!
f:id:pierofw:20160908190942j:plain出典:BABYMETAL公式Twitter

f:id:pierofw:20160908190906j:plain出典:http://natalie.mu/music/news/62084

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(出典がわからない画像は原則載せないようにしてるんですが、最後の画像はあまりにも見事なので^^;)

 これだけ大々的にBABYMETALがとりあげられたのは初めてのこととなった。
 BABYMETALをフィーチャーしたのはいったいどのような雑誌なのだろう

SWITCH(スウィッチ)
出版社:スイッチ・パブリッシング
SWITCHは、1985年の創刊以来、「時代をつくる鮮やかな個人の軌跡を追いかけ、その吐息と輝きを伝える」というコンセプトのもと、30年以上にわたりインタビュー誌として多くの読者とともに歩んできました。
音楽、映画、文学、アートなど、さまざまなジャンルの第一線で活躍する表現者に出逢い、彼らが小誌にしか語らない言葉を引き出すインタビュー、小誌にしか見せない表情を引き出すフォトストーリーによって、同時代に生きる表現者が、 何を考え、何を感じ、どんな生き方をしてきたのかを、深く掘り下げていきます。*毎月20日発行
 スイッチ・パブリッシングHPより引用:http://www.switch-store.net/SHOP/77030/list.html

 掲載された号の表紙が萌えキャラなだけに誤解しがちだが、SWITCHは上記のURLにあるバックナンバーの表紙を見ればわかるように文化人をフィーチャーしたカルチャー誌である(アマゾンのカテゴリー区分も「社会・政治」)。

 BABYMETALを大々的に取り上げた初のメディアが、アイドル誌やロック誌ではなく、カルチャー誌というのも興味深い点だが、なぜSWITCHがBABYMETALを取り上げることになったのだろうか。

SWITCH Vol.30 No.2 特集:ソーシャルカルチャー ネ申コラボ1oo

アニメ、ゲーム、アイドル、ボカロ、小説、電子書籍ギークSNS、イラスト、アートなど、さまざまなジャンルで活躍するネットカルチャーの旗手100組が登場!「コンテンツの異ジャンル配合=ハイブリッド化」がもはや常識となりつつあるネットカルチャーは、ソーシャルメディアによって常時リアルタイムで更新されていく。その磁場から、次々とあらわれるクリエイティブな化学反応──ここから見えてくる2012年のビジョンとは?
 引用:http://www.switch-store.net/SHOP/SW3002.html

 なるほど、「ネ申コラボ」とあるように「コンテンツの異ジャンル配合」がテーマだから、アイドルとメタルの融合を掲げるBABYMETALが、元MEGADETHマーティ・フリードマンとともに取り上げられたということなのだろう。

 海外でド・キ・ド・キ☆モーニングが話題になったとき「Laughing Squid」というカルチャー系のサイトがいち早くBABYMETALをとりあげたことに以前触れたが、カルチャー系の人々は新しい文化を寛容に受け入れていく素地があることがわかる。

 それにしても。である。

 完全にBABYMETALのコンセプトを理解したかたちでの掲載。
 BABYMETALの名前が売れてからもいま一つBABYMETALのコンセプトを理解していないメディア情報が多いなか、この時点でここまでのクオリティを生み出したのはなぜか。

 BABYMETAL公式Twitterを見ると

twitter.com

 「もふくちゃんディレクションページにBABYMETAL登場」とある。 

もふくちゃん(福嶋麻衣子)

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秋葉原の萌(も)え系ライブ&バー『ディアステージ』やアニソンDJバー『MOGRA』の運営、アイドルのプロデュース等を行う株式会社モエ・ジャパン代表取締役でんぱ組.incのプロデューサー。
 参照、画像出典:http://getnews.jp/archives/96582 

 なるほど、、、もふくちゃん監修コーナーに掲載されたんですな。。。
 もふくちゃんプロデュース「でんぱ組.inc」のレコード会社はBABYMETALと同じトイズファクトリーなのでそういう繋がりもあったかもしれませんが、ここはやはりもふくちゃんという日本が世界に誇る萌え文化の旗手がBABYMETALの良さを認めたからこそと理解しておきたい。
 BABYMETALがメイド服を着ているのはもふくちゃんディレクションだったかもしれません。いや、コバさんの趣味か参照ページ
 ちなみにもふくちゃんとは約1年前にさくら学院が出演したテレビ東京月刊MelodiX!」でも共演してますね。

 

 

 2012年2月1日トイズファクトリー公式YOUTUBEにて「BABYMETAL ~ My First HEAVY METAL in TOKYO 2012 ~」が公開されます。

www.youtube.com

 映像は1月9日の「WOMEN'S POWER 20th Anniversary」のもの。
 ここで初めて「イジメ、ダメ、ゼッタイ」と「いいね!」の一部が公開されました。

 この動画は字幕が全編英語であることからわかるように、海外向けとなっています。ド・キ・ド・キ☆モーニングPVに続く映像2作目にしてすでにBABYMETALの目は海外に向いていた。
 最後には「BABYMETAL TAKING OVER THE WORLD」とあり、これは世界征服ということのようです。

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 よく世界征服の野望を2013年に掲げていたことが話題になりますが、BABYMETALはこの時点ですでに世界に打って出る野望を抱いていたことがわかります。

 日本人から見たら英語でなんかかっこいいコト言ってると笑う程度ですが、英語が母国語の人から見たら「ふざけんな」という反応を含めてセンセーショナルなリアクションがあるのも当然のことでしょう。
 まったくDVD付タオルを1枚リリースしていただけの頃からとんでもないことをしていたものです。

 

 それにしてもこの動画はかっこよくてお気に入りなのですが(すでにこのブログに4回登場w)、誰がつくったのでしょうか。

INNI VISION
映像作家。Crossfaith,Co-ldrain,SiM等の映像作品を手掛ける。BABYMETAL関連ではLIVE映像作品を製作。
 参照:ヘドバンvol.2

 BABYMETALのキラーコンテンツであるLIVE映像作品のほぼ全てを手掛けるINNI VISIONさんは、BABYMETALの陰の立役者なのだと思うのですが、ヘドバンvol.2にはINNI VISIONさんのレアインタビューがあるので興味深い点を何か所か。

ーーー初めて手掛けたBABYMETALの映像はどれになりますか?
INNI VISION:「BABYMETAL ~ My First HEAVY METAL in TOKYO 2012 ~」です。海外へBABYMETALという、日本でしか実現出来ないであろう異端な存在を知らせるというコンセプトのもとに製作した映像です。

ーーーBABYMETALの映像を手掛けるようになった経緯を教えて下さい。
INNI VISIONKOBAMETALがBABYMETAL始動時にライヴ映像のディレクターを探しているタイミングで、当時製作したキバオブアキバの「Animation With You」というライヴクリップが目に留まり撮影のオファーをいただきました。

 なんと、きっかけはキバオブアキバなんですねぇ。キバオブアキバはこの時期かなりのキーマンだったんですなあ。
 で、そのきっかけとなったビデオがこれ

www.youtube.com

 あああ~ 酔う~
 BABYMETALのライブ映像はほんとよくできていますが、カメラの急激なズーム、横振りなどはおっさんにとっては苦悶なんですよ~。酔って頭が痛くなる。あれだけどうにかしてくれないかなあと思ってたんですが、そもそもコバさんがそういうのを気に入ってINNIさんにお願いしてたんですなあ。

ーーーKOBAMETALからはどのよう指示が多いですか?
INNI VISION:指示があるとすれば「もっと激しいカメラワークを!」等、直感的な内容が多いですね。 

 いやいやいや。

ーーー今回のDVD(LEGEND I,D,Z)を編集するにあたって、難しかった点は?
INNI VISION:撮影しているカメラマン達もBABYMETALの楽曲を覚え、いちファンと化しているので、ライヴ中に興奮し過ぎて荒ぶったカメラワークがあり、編集でその扱いが難しかったです(笑)。 

 ダメだこりゃ(笑) 荒らぶったカメラワークはもうそういうものだと割り切るしかなさそうですね。

 

 

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