東日本大震災の影響により、さくら学院ファーストアルバム『さくら学院 2010年度 ~ message ~』の発売は2011年4月27日に延期された。
発売にあわせてタワーレコード新宿店ではある企画が始まる
タワーレコード新宿店による、アイドルとのコラボレーション企画〈NO MUSIC, NO IDOL?〉が本日4月25日よりレギュラー企画としてスタート。その第1弾として、ファースト・アルバム『さくら学院2010年度 ~message~』の発売を4月27日に控えるさくら学院とコラボします!
http://tower.jp/article/news/2011/04/25/77549
なんと現在にも続く「NO MUSIC, NO IDOL?」企画第1弾はさくら学院だった。
この「NO MUSIC, NO IDOL?」はタワーレコード新宿店の単独企画なわけですが、タワーレコードはそもそもは海外輸入盤レコードの販売を強みとして規模を拡大してきたレコード店。その中にあってなぜか新宿店はアイドルもプッシュしていた。
「あの頃、モーニング娘。が全国的にスゴイ勢いで売れてて、でもタワーはまだまだ“アイドルなんて”っていう風潮が残ってたから他のチェーン店と比べて全然売れてなかった。プッシュもちっともしてなかったし。でも、唯一、新宿店だけはプッシュしてたでしょ?イビツな感じだったけど(笑)。」
「で、ある程度は売れるようになったんだけど、その後もちゃんとハロプロコーナーを設置して、担当もいて、みたいな感じでずーーっとやってきた」
嶺脇育夫タワーレコード社長談:http://cdvnet.jp/modules/column/july11/talk/p1.php
タワーレコードはチェーン店ではあるが、品揃えは各店舗にかなりの裁量が委ねられているようだ。
その中で、新宿店の店長がハロプロ推しを進めた結果、タワーレコードとしては異色のアイドルCDも売れる店舗へと成長を遂げたということらしい。
この新宿店店長が現タワーレコード社長の嶺脇育夫である。
67年、秋田県生まれ。88年タワーレコード入社。98年に新宿店店長などを経て11年に代表取締役社長に就任。アイドル専門レーベル「T-Palette Records」を(2011年)6月に立ち上げた
引用、写真出典:http://nikkan-spa.jp/81869
なぜ嶺脇は新宿店でアイドル路線の方向を打ち出したのか。
アイドルにドプッとはまったのは『モーニング娘。』の4期メンバーが入った後の'01年頃でした。当時働いていた新宿店のスタッフには『モー娘。』ファンが多かったのですが、私は食わず嫌いしていた。ところが、ある日テレビをつけたら、「あれ? かわいいな」と。その後『Memory 青春の光』という曲を聴いて「カッコいいね!」と思い、正月、中野サンプラザにライブを見に行って「ドプッ」と(笑)。でも、人生が豊かになりましたよ。
嶺脇談:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/17764
ということで、自分自身がハロプロを応援し始めたことがきっかけだった。
嶺脇は新宿店の店長となってしばらくしてから、ハロプロのモーニング娘。Berryz工房や、ブレイク前のPerfumeなどの応援を始め、足しげくライブに通ういわゆるアイドルヲタクに転じることになり、それとともに新宿店はアイドルCDの販売を強化していく。
そのような中、アイドルへのアンテナが鋭くなった嶺脇は、さくら学院デビューステージのTIFも観覧することとなる。
いちばんは、さくら学院のデビュー時に出演した〈TIF〉のステージを観てるんですよ。その時は〈うわ、小っちゃい!〉っていう感想で。小っちゃい子たちがいるグループを応援するというのはリスクが高いんだけど(笑)、でもその前から僕は中元すず香ちゃんが好きだった。すぅちゃんは可憐Girl'sっていう武藤彩未ちゃんと島ゆいかちゃんと3人で組んでいたグループを小学生の時にやってて、それが大好きだったからさくら学院に注目してたのね。すぅちゃんや彩未ちゃんがいるから応援しようと彼女たちを見続けてるうちに、さくら学院のバトン部の曲にCymbalsの沖井(礼二)さんが作った“Dear Mr. Socrates”という、沖井さんらしくてめちゃくちゃカッコイイのがあって。そのPVを見た時に出会ってしまったんですよ、菊地最愛ちゃんに。〈カワイイ子がいる!〉と思って。やっぱりアイドルを応援してて、箱推しと言いながらも誰かお気に入りの子ができると夢中になれるんですよ
嶺脇談:http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/6798
こうしてさくら学院ファンとなった嶺脇は、ビジネスの面からもさくら学院に積極的に関わっていくことになる。
現在120回以上のシリーズとなった「NO MUSIC, NO IDOL?」の第1弾にさくら学院が選ばれたのは、嶺脇の影響に他ならないと言える。
ただし、嶺脇が単なる個人的趣味だけでさくら学院を始めとしたアイドル推しをしていたかというと、やはり経営者なのでそれだけの理由ではない。
「NO MUSIC, NO IDOL?」企画第1弾から第50弾(2014年2月25日)までをまとめたサイトがあるので、複数回登場したアイドルを数えると以下のようになる。
「NO MUSIC, NO IDOL?」ポスター登場回数(50弾まで)
6回 BABYMETAL
5回 でんぱ組.inc
4回 Tomato n' Pine
3回 Negicco
3回 Especia
2回 バニラビーンズ
2回 BiS
2回 SUPER☆GiRLS
参照:http://matome.naver.jp/odai/2137345426188177001
嶺脇が推すハロプロ勢は複数回登場したグループがいない(モーニング娘。Berryz工房、℃-ute、スマイレージが各1回ずつ登場)。
もちろん取引レコード会社との関係によるコラボのしやすやCD発売のタイミングの問題があるにせよ数字としてはこのような結果になっている。
そして注目はなんといっても、BABYMETAL6回に対して、さくら学院は1回のみという事実。
ビジネスはビジネスということなのだろうか。
(ちなみに2014年以降にさくら学院は複数回登場しているので120回以上のシリーズとなった現在までの趨勢を追うとまた違う側面も見えてくるかもしれない)
2011年4月27日、さくら学院ファーストアルバム「さくら学院 2010年度 ~message~」が発売された。
結果、オリコンチャートでは54位が最高順位となった。
中元すず香在籍時のさくら学院のアルバムのオリコンランキングは
・2011年4月27日発売1stアルバム 54位
・2012年3月21日発売2ndアルバム 56位
・2013年3月13日発売3rdアルバム 39位
同じ頃に同じような年代のグループとしてデビューした東京女子流は
・2011年5月4日発売1stアルバム 25位
・2012年3月14日発売2ndアルバム 25位
・2013年1月30日発売3rdアルバム 13位
また、同じく私立恵比寿中学は
・2012年11月21日発売1st(Best)アルバム 19位
比較すると、いかにさくら学院のCDが当時売れなかったかがわかる。
さて、発売されたCDの歌詞カード
出典:http://blog.goo.ne.jp/chicago51/e/2db0d4f5fd908e5c8da0273237eeab81
当時はまだSU-METALなどの芸名がついていなかったことがわかる。
またロゴも現在とは異なり、小文字ベース、羽がない、稲妻?がある、ドクロが大きい等の違いがあることがわかる。
ちなみにこちらはBIG ONE GIRLS NO.5(2011年3月18日発売)に掲載された重音部
ロゴの原型は「重音部」の文字も込みだったことが歌詞カードのロゴとあわせてわかる。
また、CDには各レコードチェーン店オリジナル特典として、着せ替えCDジャケットがプレゼントされた。
・タワーレコード クッキング部
・HMV 重音部
・TSUTAYA バトン部
・新星堂 新聞部
HMV特典がこのCDジャケット
最も初期の重音部BABYMETALの画像はたいへん貴重なので多めに載せてみました。